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スーパーGT ニュース

投稿日: 2019.08.04 20:56
更新日: 2019.08.04 22:42

セーフティカー導入の一瞬のチャンスで絶妙ピットイン。ランキングトップのWAKO’Sが驚異の2連勝【スーパーGT第5戦富士決勝】

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スーパーGT | セーフティカー導入の一瞬のチャンスで絶妙ピットイン。ランキングトップのWAKO’Sが驚異の2連勝【スーパーGT第5戦富士決勝】

 この瞬間、時同じくして2番手に上がっていた6号車WAKO’Sの山下健太はピットロードへと飛び込み、ピットレーンクローズとのタイミングが検証されたが、SCボード掲示前との判断でお咎めなし。これにより6号車は上位で1台だけルーティンのピットストップを1回多く終えた状態で、23号車、1号車、3号車、12号車に次いで5番手でコースへと戻ることになった。

 113周目突入からレースが再開されると、その先頭集団4台のうちステイアウトを選択した1号車RAYBRIG山本尚貴を除いて全車がピットロードへ。54秒1でピットアウトした23号車以下GT-Rの3台に続き、翌ラップの114周目にはそのRAYBRIGも給油とドライバー交代に向かい、2番手でコース復帰する頃にはWAKO’Sは1分16秒の彼方と、ほぼ1ラップ分のリードを手にすることに。

 118周目にはアクシデントからの挽回で再び表彰台を掴まんとしていたCRAFTSPORTがマシントラブルでレースを終え、コース上のGT500車両は10台に。124周目にまだ2回のドライバー交代義務が残る3番手WedsSportがピットへ向かうと、MOTUL GT-Rが3番手へとポジションアップする。

 17時30分を過ぎコース上には夕日が差す頃になっても路面温度は38度を維持するなか、2番手以下はこう着状態となり、132周目にはARTAがカルソニック、KeePerにかわされ7番手に後退するなど、スティント終盤に向けタイヤライフの差が顕著に出始める。

 最初のストップをミニマムにし、他車と異なる戦略を採用していたMOTUL NSX-GTが139周目にピットへ向かい、ドライバー後退を伴うピットイン回数義務を果たすと、KeePer、ARTAも翌周、翌々周に義務ピットを終え、最終スティントへと入っていく。

 一方、はるか先頭のWAKO’Sを追っていた2番手RAYBRIGのジェンソン・バトンも1分差を切ることができぬまま、6号車大嶋和也が143周目にピットへ。続く144周目に3番手走行中だったMOTUL GT-Rがロニー・クインタレッリにチェンジ。それに反応し、続く周回でRAYBRIGも山本尚貴に最後の勝負を託す。

 しかしこのピット作業で軍配が上がったのはニスモ陣営の方で、ピットイン前に6秒台だった差は146周終了で2.188秒にまで短縮。続く周回にはRAYBRIGに0.325秒差まで迫り、コース上で最後の2位表彰台争いが繰り広げられる。

 激しくテールを振りながら、NSX-GTのテールに張り付いたまま周回を続けるクインタレッリだが、150周を過ぎても山本尚貴の老獪なディフェンスラインを前に攻略には至らず。18時を回ってレース最大延長時間の18時40分まで続くかと思われたハイテンションバトルは、路面温度が28度と一気に10度ほど下がったことも影響したか23号車MOTUL GT-Rが徐々にバックオフ。それを見て、156周目にはRAYBRIG山本が1分31秒672と渾身の自己ベスト更新で逃げを打ち、これで実質勝負あり。

 規定周回数の177ラップにはわずかに届かず、175周で18時40分に到達しトップチェッカー。前戦タイの勝者のWAKO’Sがシリーズでも2014年以来の連勝を決め、ポイントランキング大きくリードすることに。RAYBRIGが第2戦富士以来の表彰台となる2位に入り、必勝を期したMOTUL GT-Rが3位表彰台を獲得。ポイントスタンディング上ではWAKO’Sが60点とし、ランキング2位の37号車に16点の大差をつける結果となった。

「あのピットがキーだったと思いますけど、あの時点で後ろとのリードが決定的になりました」と山下が語れば、大嶋和也も「連覇はまったく考えてもいなかったけど、(ウエイトハンデで2ランクダウンの)2基目のニューエンジンも速かったし、タイヤは最後まで全然タレなかった」と自身も驚きの表情。ピット戦略を含め快心の勝利を飾った脇阪寿一監督も「タイで勝てるチームになり、この連勝で強いチームになれた」と、チーム全体の成長を口にした。

 シリーズ後半戦に向け大量リードを築いたWAKO’S LC500に対し、続くオートポリス、SUGOのテクニカルコース、そして最終戦もてぎとニッサン、ホンダ陣営がどこまで巻き返せるか。誰も予想ができなかった今季のGT500の展開だけに、残り3戦も予想が難しい。

スーパーGT第5戦富士決勝WAKO'S 4CR LC500
前回の第4戦タイに続いての連勝となったWAKO’S 4CR LC500。ポイントランキングでも大きな優位を手にする故ことに


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