富田はアウディ以外にもキャリアを語る上で欠かせないニッサンGT-R、スーパー耐久で乗ったポルシェ等、さまざまなレーシングカーを乗り継いでいるが、アウディの特徴は「ドライバーを大事にクルマを作っていること」だという。

「まず面白いのは、クラッチがなくてアクセルを踏むと進んでいくところ。オートマともまた違いますが、半クラッチを勝手にやってくれて進んでいく感じは他のクルマにはないですね」

「最近はポルシェがそうなっていますが、これを2015年の後半からやっているのはスゴいと思いますね。発進はたぶん誰でもできると思います(笑)」。これだけでも、まずジェントルマンドライバーのみならず、誰でもが乗れそうな気がしてしまう。

「あと今ではけっこう当たり前ですが、ペダルの位置をスライダーで動かすことができますし、ステアリングコラムの可動幅もものすごいんです」

「というのも、アウディはシートをすごく大事に考えていて、アウディ製以外のシートは使えない。そのシートは剛性を高めるために、クルマに直付けになっていて動かせないんです」

「だからハンドル位置の調整幅がとても大きいんです。(パートナーである)リチャード(ライアン)と僕なんて、身長が20cm以上違うのに、お互いに気持ちよく運転できています。市販車より可動幅があるんじゃないかというくらいですね。個人的にハンドルとの距離は大事で、ちょっと遠いと肩が痛くなってしまうのですが、このクルマだと平気です」

 さらに、2019年のEVO化で「室内の導風がすごく増えた」ということも大きな要素。「今年はタイまでクールスーツもエアコンの導風も何もつけなかったくらい。それくらい涼しいです。先日の鈴鹿(10時間耐久レース)でも快適でしたし、冬とかはちょっと寒いくらい(笑)」という。

「他のクルマに乗ったとき『アウディだとコレがあるのにな~』というポイントがけっこうあります(笑)。難しいことではないんだけど、そこに手をかけることによって、どれだけ大きな利益が生まれるかのか、しっかり分かっているメーカーだと思います」と富田。

「ドライバーに対しては本当に優しいクルマですが、その分ドライバーが頑張れるようにしているのかな、という気はしますね。アウディはRS3 LMS TCRもそうですし、何に乗っても懐が広いと思います」

 アウディR8 LMSはコストの面でも他のGT3よりもリーズナブルで、かつパーツのライフも長い。それというのも市販のR8とのパーツ共通率が高いためで、「エンジンも2万kmもちますしね。市販車でももっと短いんじゃないってくらい(笑)」というから驚きだ。

 また、日本国内ではアドバンスステップによるパーツサポートもあり、ユーザーの満足度が非常に高いレーシングカーと言えるだろう。

Hitotsuyama Audi R8 LMSのサイドビュー
Hitotsuyama Audi R8 LMSのサイドビュー
Hitotsuyama Audi R8 LMSのサイドビュー
Hitotsuyama Audi R8 LMSのサイドビュー
Hitotsuyama Audi R8 LMSのリヤビュー
Hitotsuyama Audi R8 LMSのリヤビュー

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