賭けも祈りも通じて、1.189秒差で優勝!

 決勝日の朝のフリー走行では決勝の準備が主ですが、タイラウンドに限っては私の走りを元に戻すことがメインテーマです(笑)。昨晩の研究と気持ちの切り替えのおかげで、タカミツとの体重差+コンマ1秒くらいにタイム差を縮めることができました。セットアップも決勝に向けては何もせず、予選と全く同じで変更なし! それほどまでにセットが決まっていました。戦略に関してもトップからスタートなので、一番幅が取れます。ただ、#3 GT-Rが最大のライバルで、少しでも我々にミスがあれば敵わない……というのが決勝前の分析結果でした。

 そして迎えた決勝は私がスタート。#3 GT-Rにはヤン・マーデンボロー選手というバカッ速いドライバーが第2スティントに控えています。前にも話したように、今の300にはタカミツとヤン選手はスピードで抜けていると感じています。他にも蒲生選手、ミスがなければ山内選手が匹敵するスピードがあるように感じていますが、今のタカミツとヤン選手はその中でも抜けているように思います。

 そしてこのコースは、長いストレートが2本。バトルになったら防御するのは難しいサーキットです。グリッド後方はストレートの速いGT-Rが2台。昨年タイと全く同じグリッドだったので抜かれることを想定しつつ、ルーティーンのピットまで、いかに差をつけられずにタイヤと燃料をセーブできるかというミッションがスタートドライバーの私に課せられます。

 MCはタイムは速いものの、バトルで追い抜きができるマシンではありません。集団の中で走ると抜かれるだけのマシン。まずは無駄なバトルをせず、自分も相手も遅くなるような意地をはることだけはしないように心掛けてスタートをきりました。

 1コーナーは無難にトップで、長いストレート後の3コーナーは何とか抑えることができましたが、続く裏のストレートの最後で#3 GT-Rに抜かれてしまいました。ここまでは予想通り。続いて#0 GT-Rが後方に。昨年は2周目に抜かれたのですが、抜かれず粘ることができ、トップにも離されません。逆にトップの#3のペースが鈍った7周目に前に詰まった関係で、#0 GT-Rにパスされて3番手にポジションダウン。

 その後、後ろの#18 MCにインを刺される場面があったりしましたが、問題なく対処してペースを狂わせることなく3番手をキープしながらトップからは3〜5秒の差で序盤を推移します。ペースはほぼ同等。そうなってくると我々のタイヤ無交換の作戦も活きてきます。後半はタイヤを交換したヤン選手が猛烈な勢いで追い上げてくる展開を予想していたので、タイヤ交換分の約16秒のマージンは確保できる計算。できるだけ燃料もセーブすることを心掛けて、予定していた周回を少し超えた26周を走ってピットインしました。

スーパーGT第7戦タイのスタートシーン
スーパーGT第7戦タイのスタートシーン

本日のレースクイーン

相沢明日加あいざわあすか
2025年 / スーパー耐久
なんでやねんず
  • auto sport ch by autosport web

    FORMATION LAP Produced by autosport

    トランポドライバーの超絶技【最難関は最初にやってくる】FORMATION LAP Produced by auto sport

  • auto sport

    auto sport 2026年1月号 No.1615

    ネクスト・フォーミュラ 2026
    F1からカートまで
    “次世代シングルシーター”に胸騒ぎ

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSUグッズに御朱印帳が登場!
    細かい繊細な織りで表現された豪華な仕上げ

    3,000円