更新日: 2020.11.30 11:43
TOYOTA GAZOO Racing 2020スーパーGT第8戦富士 レースレポート
終盤、この2台の差は1周あたり1秒ほど詰まっていき、手に汗握る展開となりました。残り3周で2台の差は2.1秒。ここで37号車平川はペースを上げ、ファイナルラップに入るとき、2台の差は2.7秒まで開きました。これで勝負あったかと思われましたが、37号車が最終コーナーを立ち上がった瞬間、まさかのスローダウン。ここまで懸命にセーブしてきた平川の健闘むなしく燃料切れに見舞われ、惰性でスロー走行する37号車の横を、無情にもライバルがかわしていきました。
37号車は惰性でフィニッシュラインは越えたものの2位フィニッシュ。ほぼ手にしかけていたタイトルを、チェッカー目前で逃すこととなりました。
レースは37号車が2位、36号車が3位で表彰台獲得。38号車が8位、19号車が10位でポイント獲得を果たしました。
GT300クラスでは、ポールポジションの52号車川合が序盤から激しい首位争いを展開。中盤、首位のままライバルよりもやや遅めにピットへ向かうと、タイヤ無交換作戦でピット作業時間も最小限とし、コースへ復帰。後半戦は2番手以下に40秒以上もの大差をつけての独走となりました。
その後もライバルにつけいる隙を見せない速さを見せた52号車は、完勝で今季2勝目。可能性を残していたタイトル争いでは、2位以下の車両の結果により獲得には至りませんでしたが、GT300クラスに初参戦したGRスープラはデビューイヤーをランキング2位で終えることとなりました。
19番手スタートの60号車が着実な追い上げを見せ9位、31号車が10位でともにポイントを獲得。30号車が13位、96号車は22位。244号車が24位、35号車は26位で最終戦を走り切りました。
◆コメント◆
KeePer TOM’S GR Supra 37号車 平川亮
「前半は山健(山下健太)が最初こそタイヤのウォームアップで抜かれたりはしましたが、その後すぐに抜き返して、そこからは充分すぎるくらいのギャップを作ってくれて、昨日もポールを取ってくれましたし、完璧、100点以上の仕事をしてくれました」
「僕が担当した後半は、ちょっとタイヤのピックアップが辛く、差を詰められたところもあったのですが、それも最後燃料が足りてればという話ですね」
「終盤、チームは燃料に余裕がある、大丈夫という認識で、燃料のランプがちょっとついてすぐ消えたので、センサーの不具合かな、と気にしないでいたので、まさか本当にガス欠だとは思っていませんでした。ただ、止まらず惰性でフィニッシュできて良かったです。止まってたらシリーズ2位もなくなっていたので、そこは不幸中の幸いです」
「シーズンを振り返ると、コロナでレースができないかも、という状況でしたが、最初のレースはポール・トゥ・ウィンで、幸先の良いスタートが切れたし、その後もまずまず順調でした。第5戦富士でのトラブルや鈴鹿のアクシデントなどでの取りこぼしも響いたのかなとは思いますが、今日のガス欠はそれでも出ていたような気がするので、そういう運命だったんだろうなと思います」
「でもやっぱりスープラが戻って来て、最初の年で勝ちたかったですし、このGRスープラは僕も開発に携わらせて貰って、テストとかもやらせていただいていたので、尚更取るという気持ちは強かったので、すごく悔しいです」
KeePer TOM’S GR Supra 37号車 山下健太
「今日は最後の1周まで予定どおりというか順調にいったけど、勝てなかったというレースでした。自分のパートは周りよりも硬めのタイヤを選んでいたので、ウォームアップが心配で、スタート直後は厳しかったです」
「ただ抜かれたのが23号車だけでしたし、そこからのペースがすごく良くて、平川君に渡す前に16秒くらい差を開けることができたので、そこは良かったかなと思います」
「結果として勝てませんでしたが、これもレースではありますし、なかなか簡単にはいかないですね。途中までは勝てると思っていたんですが、我々にとっては厳しい結果になってしまいました」