「リチャードには『抜ければ抜いてもいい。ただ、タイヤを交換しないかもしれないので無理しないように』と伝えてありました。リチャードからは『タイムはまだ詰められるけど、後半のトモ(藤井)がラクに走れるようにタイヤのマネージメントをするよ』と無線が入りました。
そんな彼の走りは、本当に安心して見ていられるものでしたね」と一ツ山。25周を終えたところで、ライアンがドライバー交替のためにピットに戻り、チームは給油作業のみを行い、Hitotsuyama Audi R8 LMSをコースに送り出しました。
「スタート時点ではタイヤ無交換作戦を決定していたわけではありませんでした。24周を終えてピットインしたGAINERの11号車がタイヤを交換しなかったので、われわれもそれに合わせたのです。

GAINERの前に出られるかどうかというタイミングでしたが、完璧なピット作業をこなしてくれました。給油量をギリギリのラインまで計算してくれたエンジニア、そしてミスなく的確な作業をしてくれた給油マンのおかげでこちらの方が2秒以上ピットストップの時間が短かったですし、藤井もアウトラップでフルプッシュしてくれたので、11号車の前に出ることができました」(一ツ山)。
これにより、実質的にトップに躍り出た#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSは、藤井がタイヤを労りながら、ポジションを守り続けます。
終盤にはタイヤの状態が厳しくなり、また、#88 マネパランボルギーニGT3と#33 Excellence Porscheの追い上げもありましたが、藤井はトップを守り 切って、Audi Team HitotsuyamaにスーパーGT300クラス初勝利をもたらしました。
■決勝結果
P1 #21 Hitotsuyama Audi R8 LMS リチャード・ライアン/藤井誠暢
P2 #33 Excellence Porsche 山野直也/ヨルグ・ベルグマイスター
P3 #88 マネパ ランボルギーニ GT3 織戸学/平峰一貴
チーム代表 一ツ山亮次のコメント
Audi R8 LMSでスーパーGTに参戦してから5年目。アウディ・ジャパン/アウディ・スポーツのサポートを受け、リチャード・ライアンと藤井誠暢のコンビになって3年目にして、ようやく優勝することができました。
ドライバーをはじめ、アウディ・ジャパン、スポンサーの皆さま、ダンロップタイヤ、応援していただいているファンの皆さま、そしてもちろんチームのスタッフ全員にも本当に感謝しています。
明日はウェイトハンディがゼロになり、また予選はドライになるでしょうからフロントロウは厳しいかもしれません。それでもマシーンもタイヤもこのもてぎには合っていますので、決勝レースではチャンピオンを目指して頑張ります。
