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スーパーGT ニュース

投稿日: 2021.03.31 11:58
更新日: 2021.03.31 12:29

悩める新型BRZ「全然手応えがない」と井口卓人。GT500化する空力や“重さ”が影響か

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スーパーGT | 悩める新型BRZ「全然手応えがない」と井口卓人。GT500化する空力や“重さ”が影響か

 井口はBoP(性能調整)についてのエクスキューズを語らなかったが、富士公式テスト後の3月30日に発表された第1戦岡山向けの参加条件では、昨年最終戦時は最低車重の1150kgをベースに『+15kg』だったBRZのBoP重量が、『+50kg』へと35kg増加。さらに、今年の開幕戦岡山では速度抑制措置の『特別BoP』35kgを背負うことになる。3月上旬の岡山公式テストではこれを睨み、昨年最終戦比で70kg重い状態で走行していたはずだ。

 新型マシン導入によるダウンフォース量の増大に加え、これら重量の変化も現状のBRZの開発に大きな影響を与えていることだろう。

 さらにこれらの規定による重量増に加えもうひとつ、今季より『GT300』規定(2020年までの『JAF-GT300』規定)車両の燃料タンク容量が120リッターへと拡大されたことも、マシンの挙動に影響を与える可能性があるようだ(※GTAによる事前予告を伴い容量が減じられる可能性あり)。

「120積んだときに、結構バランスが変わるんです」と井口。

「その状態で、去年までのように山ちゃん(山内英輝)がスタートダッシュで飛ばして……というのも(タイヤに対して)どうなのかな、とも思いますし。その辺も、今年はシビアにやっていかなきゃいけないのかなという気がしています」

 もちろん、この燃料タンク容量拡大は昨年の第6戦鈴鹿や第7戦もてぎなどで見られた、『ドライバー・ミニマムを過ぎているが、満タンにしてもゴールまで走り切れないため(SCが導入されそうな状況にもかかわらず)ピットインできない』という戦略面での不公平感を解消することを目指した措置であると理解できるが、同時に“物理の法則”がマシンパフォーマンスに影響するのは当然の帰結と言える。

 オフの最後のテストが終わり、開幕戦に持ち込むタイヤも決定された以上、あとはセットアップで最適解を見つけてシーズンをスタートするしかない。

 新型車両で挑む2021年について井口は、ダウンフォースの増大などにより「高速域のパフォーマンスは上がっている感じがあり、エアロをうまく使うことができれば、鈴鹿・オートポリス・SUGOあたりは性能的にイケる感覚はあるので、そこに向けたワクワク感はある」と、昨年開催がなかったサーキットでの戦いも視野に入れた期待感を示す。

 だが、開幕戦を目の前にした現在は、不安の方が大きいようだ。

「なにしろこの岡山、富士のテストで思うようなロングランができていない。とくにBS(ブリヂストン)勢は安定して速いタイムでロングしてるので、そこと比較してしまうとまだ足りていないと思います」

 富士テスト初日終了時点で井口は、開幕戦に向けた現状の仕上がりを「30点くらいですかねぇ」と語った。昨年の活躍ぶりからすればかなり低い数字にも思えるが、果たして岡山ではどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか。一発だけでなく、ロングランのタイムにも注目していきたい。

2021スーパーGT富士公式テスト SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)
2021スーパーGT富士公式テスト SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)


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