■「来季はGT300でヨーロッパ勢をやっつけたい!」
また、今回JAF-GT車両として30号車トヨタ・プリウスGTが参戦したのは大きなトピックスだったと言えるだろう。当然GT300でしか走っていない車両であり、隣のピットだったマンタイ・レーシングのクルーをはじめ、海外チームのスタッフが数多くプリウスGTを見にピットを訪れていた。
「自分たちで作ったクルマを海外で走らせたのは、実質初めて。本当に面白かった。それにこっちのレギュレーションやレースのやり方とか、スーパーGTをやっているだけでは分からなかったことも持ち帰ることができると思う」というのはapr金曽代表。
先述の嵯峨のコメントにもあるとおり、耐久向けの装備が足りなかったことや、今回ハイブリッド非搭載で挑んだ場合での戦闘力不足やトラブルなど、金曽代表はひさびさの耐久、そして海外での戦いで多くのことを学んだ様子。一方で、永井のスキルアップという目標こそ達したが、チームを率いる立場としては「やっぱり勝ちを狙いたい」という気持ちもムクムクと出てきたようだ。
「自分たちだけでは足りないので、(GT300の)みんなで『ヨーロッパ勢をやっつけようぜ!』って思った(笑)。あいつらなんであんな速いんだよって。日本ではポルシェもアウディもそこまで勝てないと思わないし、最高速でプリウスがフェラーリに負けたことないのに『なんか速くない?』って」
「今は海外と日本の交流ができていない分、日本にいるヨーロッパメーカーのGT3カーは、若干デチューンされているのではないかと思ってしまうくらい。日本ではニッサンGT-Rが速いって言われるけど、それはGT-Rが海外と仕様が同じなだけで、他のクルマが遅いんじゃないかって思う。全部データ取ったけど、やっぱりおかしい(苦笑)」
「来年またセパン12時間に出るなら、通関の問題とかいろいろあるけど、本気のハイブリッドを積んだプリウスGTで勝負したい。マザーシャシーも含めて他のJAF-GT勢も巻き込んで、ドッカーンとヨーロッパ勢をやっつけたいよね。このレースは本当に面白いし、セパンはクルマの面ではすごくいろんなテストができるから」

