■「セパン12時間を世界一決定戦に」
今回のセパン12時間は、プリウスGTの参戦をはじめSROとGTアソシエイションの協力により、スーパーGT車両の参戦が実現した。セパンにはGTアソシエイションのスタッフが訪れ、各チームの参戦をサポートしている。
GTアソシエイションの一員としてSROとの協力関係を築き、自らはドライバーとして今回のレースに参戦した服部尚貴は、「SROとGTAが一緒に組んだ初年度として、GT3の参戦が4台というのは悪い数字ではないと思います」と振り返った。
「日本の窓口として、カテゴリーを問わずこのレースについてはサポートできたらと思っています。日本ではまだ馴染みのないレースだけど、ヨーロッパやオーストラリアからも参戦チームが来ているし、今後はこのセパン12時間を、GT3の世界一決定戦のようにできたらと思っています」
「セパンはある意味スーパーGTチームには馴染みのサーキットでもあるし、ヨコハマタイヤも知っているという意味では、日本勢も可能性があると思う。本気のワークスも参戦しているので、GT3でやっているチームは世界での実力を量るいいチャンスになると思います。当然、バジェットという意味ではスーパーGTの一戦と比べるとかなりかかってしまうけれど、世界一を獲って欲しいですよね」
今回のレースでは、日本勢に足りないものも当然多く見られた。吉本のコメントにもあったとおり、ドイツのワークス勢は遠方のレースを感じさせないほどのピット設備を整え、スタッフの数も違う。また、日本チームは慣れないタイムスケジュールや走行時間に、チームスタッフたちの疲労の色が濃く見えた。ちなみに言えば、決勝日もスタンドに観衆はほとんどいなかった。
ただ世界の強豪と戦いその位置を知ることができ、ジェントルマンドライバーにとっては集中した走り込みができたりと、来季以降のセパン12時間はスーパーGT300チームにとっては非常に魅力あふれるレースになるというのが筆者の実感だ。
レース中に展開されたJLOCの88号車ウラカンがアウディを豪快にかわすシーンは、スーパーGTを長年追ってきた身としてはたまらなく心躍る瞬間だった。来季、セパン12時間では日本チームがどんな活躍をみせてくれるだろうか。さらなるスーパーGTチームの“殴りこみ”を強く期待したい。


