PACIFIC NAC CARGUY Ferrari
快進撃を見せた9号車。
アクシデントに泣くも不屈の精神で無事完走を果たす。
事前情報
残り2戦となったSUPERGT2021シーズン。ツインリンクもてぎでの大会は今季2回目となった。木村選手はWEC(世界耐久選手権)出場のため欠場となり、代役として「横溝直輝」選手を起用。Rd.4、Rd.3同様、ケイ選手と横溝選手のコンビで表彰台を狙う。レースの舞台となるツインリンクもてぎは「ストップ&ゴー」と呼ばれるレイアウトをしているのが特徴。3本のストレートが2つの複合ヘアピンで結ばれており、コーナリングの性能や加速力が問われる。また、高低差30m、長さ760mのストレートを駆け下った先には90°のコーナーが待ち構え、ブレーキング技術も求められる。予選と同日に行われた公式練習では、ケイ選手がこのコースを制し、1番手タイムの1:45.962をマーク。これはコースレコードの1:45.907に迫るタイムで、その差は0.055秒。表彰台獲得の期待が高まった。
公式予選:Q1 Bグループ
2021.11.6
14:38~14:48
ドライバー:横溝直輝
気温:18度
路面温度:29度
順位:Bグループ11位
Best Lap:1分46秒856
Lap数:5Lap
走行距離:24.005km
■Q1突破圏内のタイムを出すが11番手でフィニッシュ。
気温18℃/路面温度29℃、天気に恵まれたQ1。11月のレースにしては少し暖かいコンディション。Q1を担当するのは横溝選手。じわじわとタイヤに熱を入れながらクリアラップを狙う。残り3分となった4周目に1:46.862をマークし、4番手に位置付ける。このタイムは既にQ1AグループのQ2進出圏内であった。このまま逃げ切れるかと思ったのも束の間、後ろに続く他号車が続々とタイムを更新。11番手でチェッカーとなった。Q2へ繋ぐことはできなかったが、練習走行のタイムからも十分に表彰台を狙える。ファンからも決勝の活躍を期待する声が上がり、 PACIFIC CARGUY Racingの注目が集まる。
決勝
2021.11.7
13:06~14:57
第1スティント:ケイ・コッツォリーノ
第2スティント:横溝直輝
気温:19度
路面温度:30度
順位:19位
Best Lap:1分49秒058
Lap数:58Lap
走行距離:278.458km
天気は快晴。気温19℃/路面温度30℃と最高のレース日和。9号車のスターティンググリッドは21番。後方から追い上げを狙う。最初にステアリングを握るのはケイ選手。フォーメーションラップが終了しシグナルグリーン。ここからケイ選手の快進撃が始まる。開始早々5台追い抜き、16番手へ。3周目で3台、6周目で更に3台追い抜き10番手に躍り出る。10周目に他号車の接触アクシデントのためFCYが導入されるが12周目で解除。リスタートに合わせて9番手に順位を上げる。ここで再びアクシデントによるFCYが導入。16周目でリスタートし、8番手へ。その後じわじわ追い上げ、22周目で7番手に。既に「14台」も追い抜いているが、ケイ選手の進撃は止まるところを知らない。レースも1/3が過ぎ、ピットへ入る車両が増えていく中、9号車はケイ選手でステイアウトを続ける。出来る限りタイムを稼ぎ、タイヤも4輪を交換したベストコンディションで横溝選手を送り出す作戦だ。
31周目にはピット作業を終えた車両が半分を超え、9号車は1番手を走行。37周目でピットイン。ドライバーは横溝選手へ交代し、7番手でコースへ復帰。バトンを託された横溝選手も守りの姿勢ではない。42周目で6番手へ順位を上げる。ここからが正念場となった矢先、左リアタイヤがバーストするアクシデントが発生。9号車の快進撃は不運によって止まってしまう。すぐにタイヤを交換し、21番手でコースへ復帰。大幅に順位を下げたが決して諦めない。少しでも順位を上げようと、意地と根性でレースに食らいつき、1台を追い抜いて20番手へ。ファイナルラップで更に順位を1つ上げ、19番手でフィニッシュとなった。
終盤まで絶好調な走りが出来た分、タイヤアクシデントが悔やまれるものの無事完走を果たした。最後まで諦めないチームの精神と志しを見せた熱いレースとなった。
■コメント
総監督 神野元樹
「マシンのコンディションがよく、表彰台を狙えるポテンシャルがありました。これまで積み重ねてきたことがしっかりと形になっていると実感しています。タイヤアクシデントにより順位を落とす結果となりましたが、チーム戦略はしっかりとはまっていたと考えています。次回の富士戦が最後のレースとなります。今のコンディションを維持しながらしっかりと準備して結果を残します。応援ありがとうございました」
ケイ・コッツォリーノ
「今季2回目となったツインリングもてぎでは、前戦の反省点を改善し、PACIFIC CARGUY Racingがマシンとタイヤを完璧にマッチングさせることができました。結果的に、フリー走行では全体のトップタイムをマーク。そしてレースでは「14台抜き」ができるほど車が速かったです。残念な結果に終わってしまいましたが、次回に向けて更なる手応えを掴むことができたので次戦が楽しみです」
横溝直輝
「勝てるポテンシャルがある中、私が担当した予選での失速が最後まで尾を引いてしまったと思います。ケイの素晴らしいオーバーテイクと最高の戦略で送り出してもらい、後半の主役になれる状況の中、不運にもトラブルが起きてしまいました。勝てるチャンスをモノに出来なかった事はとても悔しいです。ですが学生とのジョイントチームで日本のトップチームと互角以上の戦いが出来たことは本当に素晴らしい経験でした。今回も起用して頂き、ありがとうございました」