2021シーズン限りで、スーパーGT・GT500クラスでの使命を終えたR35型ニッサンGT-R。デビューした2008年からの14シーズンの間に、数々の伝説を刻んできた。
ここでは、そんなR35型GT-Rの名レースを連載形式で振り返る。初回に取り上げるのは、デビューレースとなった2008年開幕戦・鈴鹿。当時、エースとしてニッサン、そして“GT-R復活”を背負っていた男に、かつてない緊張が訪れていた。
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レーシングドライバーは、ネガティブな発言はあまりしないもの。強気なハートが本人の速さを支え続けているとも言える。とくにメーカーを牽引する立場ならば、なおさらだ。
2008年、ニッサンのエースとして活躍していた本山哲が、緊張で「心臓がバクバクした」と“らしからぬ”コメントを残したのが、開幕戦鈴鹿だ。
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