更新日: 2024.08.07 20:12
STANLEY TEAM KUNIMITSU 2024スーパーGT第4戦富士 レースレポート
2024 AUTOBACS SUPER GT Round4 FUJI GT 350km RACE
予選:2024年8月3日 決勝:2024年8月4日
富士スピードウェイ(静岡県)
予選:晴/ドライ 決勝:晴/ドライ
公式練習:2番手 予選:2番手 決勝:2位
およそ2カ月のインターバルを経て迎えたスーパーGT第4戦富士。今回は『FUJI GT350km RACE』と称した一戦が繰り広げられる。初の350kmレースをいかに戦い、チャンピオンシップ争いに食い込むか、チームとしても今大会は重要な一戦になる。そんななかでSTANLEY TEAM KUNIMITSUのNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTは予選で2番手を獲得。決勝でもトップに迫るパフォーマンスを見せ、シーズンベストの2位表彰台を掴んでいる。
◎予選日
搬入日から薄曇りの天気となった富士スピードウェイ。どんよりとした空模様となり、富士山の姿も見えぬまま。一方、蒸しっとした暑さを感じるコンディションでのレースは、過酷な展開になることを予想させた。
前回の鈴鹿戦からおよそ2カ月の期間を経て迎える今大会。これまでの戦績に合わせて40kgのサクセスウエイトを搭載したNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTでの速さ、強さを見せることが求められる。まずは午前9時からの公式練習でクルマのセッティング、選択したタイヤのフィーリングなどの確認作業に取り掛かった。
気温29度、路面温度38度のなか、セッション開始とともにまずは山本尚貴選手がコースへ。持ち込みのセッティングを確認する作業に入った。開始から20分過ぎにはセッション前半のチームベストタイムとなる1分29秒499をマークし、ピットへ。ふたたび調整を⾏なうなど、およそ40分間にわたって走行を重ねた。
続けて牧野任祐選手がコースへ。GT300クラスとの混走枠がまだ30分近くあったが、その間にピットインを繰り返し、セッティング調整に着手する。迎えたGT500クラス専有走行でも続いてドライブを担当した牧野選手。セッション終盤に⾏なったアタックシミュレーションにおいてチームベストとなる1分28秒836をマーク。一旦トップに立ったが、その直後に64号車シビックが0.145秒速いタイムを出したことから、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTは2番手でセッションを終了することになった。
2番手と好位置につけたNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTだが、山本、牧野両選手の表情はいまひとつ。トラブルなどではなく、⾃分たちが望んでいたセットアップではなかったと言い、これを受けてチームでは午後からの予選に向けて早速修正作業に取り掛かった。
サポートレースでのアクシデントの影響を受け、午後からの予選開始が5分遅延。よってGT500クラスのQ1セッションは、15時03分からとなる。この時点で気温は33度、路面温度は55度と大きく上昇。2回の予選セッションから翌日決勝のスタートまで1セットのタイヤを使⽤することから、巧みなタイヤマネジメントが問われるのは言うまでもない。
Q1担当としてコースに向かった牧野選手。タフなコンディションの下、アタックに臨むと残り1分の時点で1分26秒026をマークし、トップに躍り出る。また、うしろからは次々とライバルたちがチェッカーを受けたが、誰ひとり牧野選手のタイムを更新することはなく、このままトップ通過を果たした。
GT300クラスのQ2を経て、15時59分にスタートしたGT500クラスのQ2。気温は31度、路面温度は51度まで下がったが、依然としてタフなコンディションが続く。
コースインした山本選手はユーズドタイヤでアタックに向かうと、1分28秒651のタイムで暫定で3番手につける。しかし、その後にチェッカーを受けた他車がこれを上回り、最終的に6番手でQ2を終了した。結果、合算タイムによってNo.100 STANLEYCIVIC TYPE R-GTは、2番手の決勝グリッドを獲得。翌日の350kmレースでは、フロントロウからスタートを切ることになった。
「公式練習であまり調⼦が良くなかったが、予選に向けてチームがしっかりとクルマを戻してくれた。さらには牧野選手がいいアタックを見せてくれたことが、予選2位に繋がった」と山本選手。同じフロントロウの8号車CIVICのサクセスウエイトが6kgであるのに対し、40kgのサクセスウエイトを積むNo.100 STANLEY CIVICTYPE R-GTにとっては、決してラクな戦いではないが、「決勝でも改めてがんばりたい」と意欲を見せた。
また、渾身のアタックを見せた牧野選手は、予選2位を「順当な結果だった」と冷静にコメント。「朝の走行後にセットアップの見直したことで、クルマのパフォーマンスが戻ったとのこと。「ポールの8号車とはサクセスウエイトが違うので、明日のレースではしっかりと優勝を狙いたい」と明日の目標を掲げていた。
◎決勝日
前日よりも強い日差しが照りつけ、蒸し暑い一日となった決勝日。レース直前のウォームアップ走行の時点で、気温35度、路面温度は56度に上昇。ともにレースウィークでの最高値を刻み、14時30分の決勝スタートまで下がることはなかった。
静岡県警の白バイとパトロールカーのパレードラップからフォーメーションラップへと入り、350km・77周の戦いが始まる。No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTでは、牧野選手がスタートを担当。ポールスタートの8号車シビックにプレッシャーをかけるようにピタリとマークし、周回を重ねていく。だが、やはり40kgのサクセスウエイトがじわりじわりとボディブローのように効いてくるのか、8号車との差が開き始めた。
レースは27周目のダンロップコーナーで、トラブルに見舞われたGT300クラス車両の一台がコースサイドでスロー走行の末に停止。これを受けてコース上はFCY(フルコースイエロー)が導入された。およそ3分後に解除されたが、このレースコントロールが8号車との差を広げることとなってしまう。
その後、30周を過ぎるとルーティンのピットインを始めるチームが現れ、No.100STANLEY CIVIC TYPE R-GTも32周でピットへクルマを戻す。山本選手へとバトンを繋いでコースへ復帰するなか、目下のライバルである8号車は翌周にピットへ。惜しくもアンダーカットにはならず、改めて8号車を追いかける形で後半戦へと突入した。
レースは53周を終えた16時になると、気温は31度、路面温度は50度まで下降。またこれに先立ち、山本選手は8号車との差を一時0.4秒まで縮める気迫のパフォーマンスを披露するなど、見せ場を作った。だが、終盤に入ると、ふたたび2台の差がじわじわと広がる展開に。結果、逆転のチャンスは訪れず、2位でチェッカーを受けている。
タフな戦いを走破し、今シーズン初の2位表彰台に立ったNo.100 STANLEY CIVICTYPE R-GT。ポイントは37点となり、シリーズランキングはトップから4点差の2位へと浮上している。続く鈴鹿も酷暑の戦いが待ち受けるが、さまざまなアプローチから粘り強い戦いをすることで、チャンピオンシップでも好調さをキープしていきたい。
◎コメント
■小島一浩監督
「過去2戦は振るわない結果でしたが、ようやくチームらしい戦い方ができたレースでした。これからはサクセスウエイトもあり、近々のレースは苦しいかと思いますがなんとか全員で乗り切っていきたいと思います。引き続き、応援をよろしくお願いします」
■山本尚貴選手
「いいチーム、チームメイトに恵まれて価値ある2位だったと思います。40kgのサクセスウエイトを積むなか、8号車はほとんどウエイトがなかったので、それを考えたら最大限の結果だと思います。チームの皆さんもがんばってくれました。チームで手に入れた2位だと思います」
■牧野任祐選手
「レースではもっと路面温度が下がると思ったのですが、想像以上に上がってしまいました。ただ思っていたよりキチンと走ることはできました。FCYや黄旗のタイミングが僕たちにとって、悪い方に働いたのは残念だったし、もったいなかったですね。でも、そのなかでやれることはできたし、いいパフォーマンスを出せました。チャンピオンシップを考えてもいいレースができたと思います」