<Tips>イコールコンディション維持のための弛みない努力
 ポルシェ カレラカップは数あるワンメイクレースの中で最も厳格にイコールコンディションを追求しているレースカテゴリーだが、PCCJも世界中で行われているカレラカップと同様、厳格なイコールコンディション化を図るべく様々な機器が運用されている。

 テクニカルレギュレーションはドライバーの安全装備をはじめとして数々の規則が30ページ以上にわたって詳細に説明されているが、その中でも車両に関する規定は微に入り細に穿った記述が続いている。本年度のPCCJに参加できる車両は2016年モデルの911GT3 Cup(Type991)および2014~15年モデルに技術的な適合作業を加えた車両が参加を認められている。

 エンジンは338kW(460PS)/7,500rpmを発生する3.8リッターの水平対向6気筒自然吸気ユニットで、最高回転数は8,500rpmに制限されている。エンジンマネジメントシステムはモトロニック電子制御装置で、プラグインコネクターを含めて封印が施されている。

 トランスミッションはシングルクラッチながら純レーシングカー用のドッグタイプ6速シーケンシャルで、ギアレシオはファイナルドライブを含めて変更することはできない。さらにエンジンとトランスミッションは封印で管理されており、ボディにマウントするボルト・ナット以外、一切の変更が認められていない。

 もちろんオーバーホールを行うには分解の必要があるが、分解作業はPCCJ委員会から事前承認を得る必要があり、完成後にはあらためて内容を確認した上で再度封印が施される。

 シャシーにも厳格な制限が適用されており、ショックアブソーバーとスプリングは工場出荷状態が指定されており、バンプストップラバーまで前後とも専用部品しか用いることができない。キャンバー調整用のスペーサーワッシャ(シム)はフロントで最大18mm、リア最大15mmと定められており、さらにアッパーアームマウントの調整を行ってもキャンバーアングルはフロント‐4.5°、リア‐4.2°以上に寝かせることはできない。

 さらにその状態を確認するため、車検・再車検ではポルシェAGが世界共通で推奨しているintercomp社の移動式定盤付コーナーウェイトゲージが毎レースごとにパドックに設置されるという徹底ぶりだ。

 車両の最低重量は1210kgとされ、安全装備を施した状態でのドライバーを含む最低重量は1290kgとなっている。タイヤはドライではもちろんミシュランのスリックタイヤを使用し、全レースにおいて構造・コンパウンドともに仕様はひとつに決められている。これはウエットタイヤも同様だ。

 なお今回の鈴鹿のようなシングルレースの場合、1回のレース(予選・決勝)において1台につき2セットまでの新品スリックタイヤの使用が許されており、当然公式予選前にマーキングされている。タイヤを含めると納品前に封印あるいはマーキングが施される部品は31アイテムにも上る。

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