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国内レース他 ニュース

投稿日: 2019.05.19 21:02
更新日: 2019.05.19 21:06

初開催のTCRジャパンシリーズ参戦ドライバーたちの感想は「楽しい!」。2クラス制も好評

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国内レース他 | 初開催のTCRジャパンシリーズ参戦ドライバーたちの感想は「楽しい!」。2クラス制も好評

 フォルクスワーゲン勢では、松本武士(Volkswagen 和歌山中央RT with TEAM 和歌山/フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)がサンデーシリーズで3位に入った。松本もS耐でTCRの経験があるが、パーツが届かず土曜までは苦戦。日曜に加えたセット変更で追い上げをみせた。

「僕たちのチームはフォルクスワーゲン和歌山中央のディーラーメカニックたちで臨みました。まだサーキットに来たことがなかったようなスタッフもいたので、そのなかでこうして表彰台という結果を残せたので、いい週末になったのではないでしょうか」と松本。

「当初はもっとジェントルマン向けのレースと思っていましたが、思いのほかハイレベルでした(笑)。ちょうどシルバーとブロンズ同士で、いい関係のバトルができる状況だったのではないでしょうか。参加する方も面白いと思いますし、観る側もツーリングカーならではの接近戦を楽しめると思います。これから盛り上がると思いますね」

 一方で、国内トップカテゴリーで豊富な実績を誇る密山祥吾(埼玉トヨペットGreenBrave/フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)は車両到着が第1戦の直前に。到着した横浜の本牧ふ頭から直接オートポリスまで輸送され。現地で準備を整えた。

 埼玉トヨペットの初めてのメカニックたちもおり、トラブルもあったなか追い上げをみせたが、「今回いろいろ気づいたことも多かったですし、次戦からはきちんと戦えると思っています」と次戦以降の巻き返しを誓った。

 S耐にいち早くゴルフを導入した経験をもつ密山は「ジェントルマンがをすごく楽しんでくれていますし、上位はレベルも高い。とても楽しいシリーズになると思いますね。これからどんどん盛り上がっていくのではないでしょうか。今後20台近くになるのではないかという話も聞いていますよ」とTCRジャパンの今後について語ってくれた。

密山祥吾(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)
密山祥吾(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)

■ブロンズにも好評。シルバーの若手は今後世界への扉にも……!?

 その密山が代表を務めるAdenauは、昨年までS耐で使用していたゴルフGTIをTCRジャパン向けに転用し、ジェントルマンの佐藤潤を走らせた。

「初めてのTCRジャパン、初めてのオートポリス、そして初めてのウエットでした(笑)」と学ぶことが多かった佐藤だが、「楽しくなった頃には帰らなければいけない感じでしたね。もっと練習しなければいけません」2日間のレースを大いに楽しんだ様子だ。

「シリーズもすごく楽しいと思います。皆さんスーパー耐久に出られている方ばかりで、プロに近いジェントルマンの方も多かった。そんな皆さんと走れたのはすごく良かったですね」

 今回、ゴルフGTIをHIROBONが、アウディを植田正幸が走らせたバースレーシングプロジェクト【BRP】も、S耐でTCR車両を走らせているチーム。HIROBONが「すごく面白かったですよ。バトルも多かったですし、レベルも高いですね」と語れば、植田も「レベルはすごく高いですよね。みんなしっかり走り込んでいますし。日本でこうしたハコのスプリントはなかったですから、良いのではないでしょうか」と評する。

 ちなみに植田は、ジェントルマンクラスの“戦い方”にもリクエストを述べている。接触しながらのバトルもツーリングカーの醍醐味だが、あまりに接触が多くなっては、いかにジェントルマンといえど負担が多くなり、シリーズへの意欲が薄れてしまう。

「上位陣はやってくれてもいいかもしれませんが、WTCRのように“当てていい”にならないようにしないといけませんね。ジェントルマンのレースですから。今は当たりそう……で引いていますが、そういうのもレースですよね」

 ドライバーたちからの評価も概ね高かったTCRジャパンシリーズの開幕ラウンド。当然ながら課題もあるが、密山のコメントにもあるとおり今後台数の増加も見込まれており、大きな発展が期待できそうだ。

 また、今回金丸や篠原といったジュニアフォーミュラでも評価されるシルバードライバーたち、松本のようなツーリングカーで速さをみせてきたドライバー、密山のようなベテランのシルバーたちが数多く参戦すれば、シリーズ全体の盛り上がりもさらに期待できる。

 そして、彼らのようにジュニアフォーミュラで育った若手ドライバーたちや、ハコで台頭してきたドライバーたちが今後TCRジャパンで経験を積み速さを示せば、いまや多額の資金が必要になる上位フォーミュラに進めなくとも、同じヨコハマを使う『WTCR』という、新たな“世界へのフィールド”が開かれるかもしれない。

 WTCRは毎年日本でも開催されるが、やはりそこに欲しいのは、世界と戦う地元のスター。今まで日本ではツーリングカーならではの動きを知るドライバーは少なかったが、TCRジャパンはそのスターを生む素地にもなり得る。実際、海外では他のTCRシリーズからWTCRにステップアップしているドライバーも数多いのだ。

 過度なメーカー間の競争によりシリーズが消滅したJTCC全日本ツーリングカー選手権以来となる、日本におけるツーリングカーのスプリントレースは、TCRという魅力的な車両フォーマットとともに、若手ドライバーにもジェントルマンドライバーにも新しいフィールドを創造したと言えるのではないだろうか。

TCRジャパンシリーズ第1戦オートポリス サンデーシリーズのジェントルマンクラス表彰台
TCRジャパンシリーズ第1戦オートポリス サンデーシリーズのジェントルマンクラス表彰台
TCRジャパンシリーズ第1戦オートポリス ジェントルマンクラスの表彰台
TCRジャパンシリーズ第1戦オートポリス ジェントルマンクラスの表彰台
10 佐藤潤フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRAdenau
佐藤潤のフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR
ジェントルマンクラス3位となったHIROBON
ジェントルマンクラス3位となったHIROBON
 


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