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国内レース他 ニュース

投稿日: 2022.03.23 19:38
更新日: 2022.03.23 20:13

iCraft 2022スーパー耐久第1戦鈴鹿 レースレポート

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国内レース他 | iCraft 2022スーパー耐久第1戦鈴鹿 レースレポート

 開幕戦の決勝レースは、前述のとおりST-4クラスを除く8クラス混走による5時間レースとして競われ、そのスタート進行は10時55分から開始された。予選に臨んだ50台を、1台も欠くことなく並べたスターティンググリッドに、『OHLINS Roadster NATS』が、ひときわ映えていたのは気のせいではあるまい。

 今回のスタート担当は山野。オープニングラップのうちにひとつ順位を落としていたが、山野本人はおろか、チームにも動じる様子は一切なし。その後、5番手にまで後退するが、それは燃費とハイペースを両立させるための作戦でもあった。昨年のチャンピオンでもあるトップは、ひたすら逃げようとするも、山野の視界に収まったままだった。

 12周目にはひとつ順位を戻したばかりか、ライバルが1時間経過から間もなく最初の給油を行うと、労せずして山野はトップに返り咲く。さらにライバルの度肝を抜いたのは、2時間近くまで金井への交代を遅らせ、実に40周も山野は走り抜いていたことだ。この間、いったんは3番手となるも、金井も燃費走行で53周まで給油を遅らせ、さらに2スティント連続走行も。

 そして69周目からは、いよいよ野島の番となる。やはり、この間2番手にまで後退したが、これが初レースとは思えぬほどの安定感で、ポジションをキープしたばかりか、トップとの差も詰めてくれたほど。

 86周目からの最終スティントも山野が担当、ポジションは2番手のまま。もちろん一時は20秒以上あった間隔を、徐々に詰めていく。が、あと一歩にまで迫ったラスト20分で、山野はピットに戻ってきたではないか! 万事休すかと思われたのとは裏腹に、メカニックたちは冷静に給油のみ行って、マシンをコースに戻す。実は作戦どおりだったのだ。これが102周目のこと。さらに次の周にはトップもスプラッシュ給油。これもまた想定内だった。

 そこからはもうガチンコ勝負。だが、山野はわずか2周で決めてくれた。107周目の130Rで、トップ返り咲きを果たしたのはチェッカーまであと10分間の、まさに土壇場。そのまま逃げ切り、『OHLINS Roadster NATS』、そして『iCraft』と『NATS』が初優勝を飾ることとなった。

 続くシリーズ第2戦は6月3〜5日に、富士スピードウェイを舞台とする大一番、24時間レースとして開催される。引き続きの大活躍を期待いただきたい!

2022年スーパー耐久第1戦鈴鹿を制したOHLINS Roadster NATS(山野哲也/金井亮忠/野島俊哉)
2022年スーパー耐久第1戦鈴鹿を制したOHLINS Roadster NATS(山野哲也/金井亮忠/野島俊哉)

山野哲也

「本当のことを言うと、もう無理かと思った時もありました。なかなか追いつくことができず、66号車はS字が速くて離されることもありました。でも、天は見放さなかった、僕たちのことを。抜いたのは130Rアウトから。長いこと鈴鹿でレースやってきましたが、130Rのアウトで抜いたのは初めて。特にレース終盤ということで、タイヤカスも多くリスキーでしたが、もう『決めるならここしかない!』という強い意思を持ちました。本当に嬉しい!」

金井亮忠

「ついに、ついに! 2年間、優勝はなかったし、今回が現体制での学生たちにとって卒業レースだったので、こういう形で締めくくれて本当に良かったです。だから、今は嬉しいより、感動している感じで(笑)。次の富士から新メンバーになります。引き続き頑張ります」

野島俊哉

「デビューウィン(笑)。もう最高以外にないですね。僕の前のスティントは金井先生だったんですけど、タイヤをうまく、本当にきれいに保ってくれたので、僕のスティントでは車両はすごくいい状態でした。昨日の予選でもう、レースペースをどう作っていこうか、自分の中でイメージできていたので、それを本番で再現して、さらにいいものにしていくことができたので、僕のスティントは、かなり初参加にしては上出来だったなと、自分の中では思っています」

猪爪俊之監督

「やっと勝てました。S耐参戦3年目にして初優勝は、早かったって言っていいんだと思います。ST5は参加台数も多くて僅差の接戦ですから。去年の後半戦はピット戦術で大負けしたから、同じことを繰り返さないように、木曜日は決勝ロングのデータ取りに徹したんです」

「決勝での最後のスプラッシュも予定どおり。ただ、66号車のほうが、うちより早く入ると思っていたのが逆だったのだけ予想外でした。ラスト30分位は本当にドキドキしましたよ、無線で『山野さん頼む〜、なんとかしてくれ〜』とお願いしてしまいました。次の富士ではウエイトが厳しくなりますが、過去2年の経験を活かし、しっかりセットアップしたいと思います。次戦の富士24時間レースも応援よろしくお願いします」


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