F1は2014年から、全ドライバーがスタートライン付近に集合して国歌を聞くようになっていた。それまでは、集合せずにスタートまで自分のグリッドにいてよかったのだが、用を足しにお手洗いへ行きっぱなしの状態が慣例化していたため、2014年からFIAはドライバーに集合を呼びかけ、国家的なイベントとしての格式を保つ努力をしていた。

 それでも遅刻したり欠席するドライバーが後を絶たないため、今年からFIAは集合を義務化したわけである。

 通常であれば、ピットレーンが開放された後にドライバーがグリッドに着くためのレコノサンスラップはピットレーン出口でのスタート練習が主な目的で、1、2回行った後すみやかにグリッドに着く。その後、ドライバーはレースエンジニアとスタートとレース戦略の確認を行い、トイレへ行った後、スタートラインへ行き、国家斉唱セレモニーに参加する。

 だが今年の中国GPはスタート直前に雨が上がったため、チームとドライバーは少しでも多くのレコノサンスラップを行い、ギリギリまで路面の状況を確認していた。それが、国歌斉唱セレモニー遅刻の遠因となっていたのである。

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