アウディがマッティア・ビノット(元フェラーリF1チーム代表)をF1プロジェクトのトップに起用したことは、彼にとって願ったりかなったりだった。ビノットは、ドイツのメーカーのF1プログラムの完全な指揮権を与えられるが、それは彼がシャシーとエンジンの両部門を統括するテクニカルディレクター兼チーム代表としてフェラーリに在任していたときのパワーを反映している。
2023年の初めにビノットに代わってフレデリック・バスールがチーム代表に就任し、フェラーリの技術体制はより伝統的な形式に戻った。ビノットは、チームを完全にコントロールできる場合にのみ、グランプリの世界への復帰に関心を持っていたため、彼とアストンマーティンの交渉は実を結ばなかったと考えられている。