それは現在、ルノーでヒュルケンベルグの担当レースエンジニアを務めているマーク・スレードだ。しかも、スレードは近づいただけでなく、ヘルメット越しにプロストと会話を始めた。

 スレードがマクラーレンに入ってF1の仕事を始めたのは91年だから、まだプロストは現役だったわけだが、そのときにはプロストはすでにマクラーレンを出てフェラーリに移籍していた時期だ。なぜ、スレードはプロストの元を訪れたのだろうか。

かつての師匠プロストと話すマーク・スレード
かつての師匠プロストと話すマーク・スレード
「じつは96年に私がまだマクラーレンでテストチームのエンジニアを務めていたとき、アランがマクラーレンのテストをしたことがあってね。私はシルバーストンとポール・リカールで2度アランと仕事をした経験があるんだ」

 スレードはその後、マクラーレンでレースチームのレースエンジニアとなり、キミ・ライコネンやフェルナンド・アロンソと仕事を行い、2011年にはメルセデスで復帰したミハエル・シューマッハの担当も務めるなど、輝かしい経歴を歩んだ。

「私にとってアランは、レースエンジニアを目指す上で基本を教えてくれた大切な師匠。いまでも彼との仕事は私にとって宝となっている」

 そういって、スレードはヘルメット越しに久しぶりにプロストと会話した余韻に浸っていた。

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