ペレス(以下、PER)「エステバンに仕掛けても構わないか?」

フォース・インディア(以下、FIN)「ノー。チェコ、ノーだ。このポジションを維持しろ。数周後にまた状況を伝える」

2017年F1第16戦日本GP エステバン・オコン、セルジオ・ペレス

PER「だったらペースを上げるように伝えてくれ。遅すぎるよ」
 6位、7位のフォース・インディア勢では、後方のセルジオ・ペレスが前のエステバン・オコンに抑えられて焦れていたが、オコンはタイヤを守るためにチームから言われたペースで走っていたに過ぎない。

 上位勢にもそれと同じことが言えた。前戦マレーシアGPでタイヤの不調に苦しんだメルセデスAMGだけに、なおさらだった。

HAM「タイヤにバイブレーションが出ている」

MGP「了解、チェックするよ」
 50周目、ハミルトンは振動を訴えるがデータ上では何も問題なし。最後はフェルスタッペンが1秒差にまで迫ってきた。

VER「全力を出し切っても構わないかい?」

RBR「チャンスがあれば、分別を持ってやるぶんには構わないよ」
 レッドブルもここで攻めてもタイヤは最後まで保つと判断し、残されたグリップを使い切ってアタックすることを許可した。しかし周回遅れが挟まり、仕掛けるチャンスは訪れず。ハミルトンが逃げ切って鈴鹿で勝利を収めた。

 予選とは違い独走勝利ではない。しかしメルセデスAMGは前戦マレーシアGPの教訓を生かし、完璧にレースをコントロールし切ってみせたのだ。

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