☆☆☆ ダニール・クビアト
むしろトロロッソに戻り精神衛生上すっきりした、と顔に書いてあるようだった。RB12と空力特性が違いすぎるSTR11なのでフリー走行は完熟ラン、予選も彼にしてはやや控えめ。レースも控えめに進めていたが51周目にソフトを履くやいなや、53周目に初めて最速ラップ。トロロッソ・チームも初めて(!)、“フェルスタッペンMAXムード”のこの1戦に意地を見せた。
☆☆☆ セルジオ・ペレス
かみ合わない不運なレースが続いている彼らが大規模アップデートを実施。その効果はセクター1に表れ、ペレスがフェラーリ勢に肉薄、マクラーレンのフェルナンド・アロンソを従えて予選9位確保。タイヤ・ケアをしっかりやり、長いスティントの前半ペースを抑えた7位ゴール。自身スペインGP最高成績。
☆☆☆ セバスチャン・ベッテル
表彰台や会見では明るくはしゃぎ、コース上ではリカルド相手にやりあい、無線では感情むき出し。最近ベッテルには奔放さを感じる。チームがとった3ストップ作戦を特に批判する言動もなかったが、アロンソだったら、相当もめることになっただろう。周囲の雑音を気にせず、チーム結束力を引き締めようとする2年目のエース。
☆☆☆☆ ダニエル・リカルド
みせどころを何度もつくった。56周目に1コーナーでジャブを放ち、59周目も1コーナーでまたインサイド急襲、人車一体のブレーキング・パワーはスリリング。一瞬抜いたかに見えたがベッテルに跳ね返された。でも60周目にもう一度、64周目は一転シケインで攻撃。この何度も襲い続けた精神力が彼らしい。しかし左リアがパンク、20秒落ちタイムでピットまで戻り、交換後5位ボッタスを1.321秒差に退ける。あの3輪走行ペースがわずかに遅かったら4位を失うところ、不屈の「ミツアナグマ・スピリット」。