☆☆☆☆ カルロス・サインツJr.
スペイン男児の魂――。昨年ベスト予選5位、今年ベスト決勝6位、母国戦に結果を出し切るメンタルを称えよう。先日あったスペインでのテニス大会で彼は地元ナダル戦を見物、TV中継に映った時にはそのプレーを食い入るように見ていた。スタート後3位に割って入ると後続フェラーリ2台を簡単に行かせず、1-2レッドブルの盾となって防御。これは目立たないがフェルスタッペンへのアシスト、ゴール後かつての僚友をアスリートらしく祝福、立派な態度だ。
☆☆☆☆ キミ・ライコネン
ありとあらゆる手を用い、最年長ベテランは18歳レースリーダーを揺さぶっていた。個人的には「キミ・レーシングスクール」のように思えた。周回遅れが前方にいるときにうまくさばけるか、背後でつつきまわしたが18歳はしのいだ。51周目10コーナーでロックを誘い、57周目最終コーナーでは急接近、64周目には諦めたとみせかけて間隔を置き、65周目とファイナルラップにスパート。そういろいろやってもフェルスタッペンは動じなかった。思い出すのは05年サンマリノGP、2位ミハエル・シューマッハーは1位新鋭アロンソに何度も波状攻撃をかけたが0.215秒差。ライコネンもあの時のシューマッハと同じ思いを抱いたのではないか。「きっといつかおまえの時代がくる」と――。
☆☆☆☆☆ マックス・フェルスタッペン
106人目GP勝者は0.616秒差。これまで105人目リカルドは4.236秒差、マルドナドは3.195秒差、ロズベルグは20.626秒差、ウェバーは9.252秒差、101人目ベッテルは9.252秒差。初めて乗るマシンで独走ではない勝利に、フェルスタッペンの堅い意志と鋭利な闘争心を見定める。年齢のことよりそれを絶賛したい。