しかし実態は、少し違うようである。ハリアントに近い関係者が語ってくれたところでは、今回の件は、むしろ政治的な文脈で捉えるべきと言うのだ。政府が前面に出てサポートすることにインドネシア政界内で批判があり、それを、ある程度ぼかす意味合いから小口募金の話が出てきたという。「他に、よほど莫大な持参金を持ってくるドライバーが出現しない限り、少なくとも今季いっぱいハリアントのシートは安泰だ」と、この人物は明言していた。
一方でアジア人唯一のF1ドライバー、そして経済発展著しい同国のスターであるハリアントに、日本企業も多大な興味を抱いているという。インドネシア進出を目論む日本の飲料メーカーやIT企業などが、ハリアントをメインキャラクターに起用することを考えているらしい。これまた実現すれば、ハリアントの商品価値がさらに上がることになり、シート喪失の恐れはいっそう遠のくことになりそうである。