近年のF1では「モナコ専用」のハイダウンフォース空力パーツは作らない傾向にあるものの、モンキーシート・ウイングレットについては多くのチームが最もアグレッシブな仕様を持ち込んできた。
このパーツは、リヤウイング下で車体中心線から幅100mmのボディワークのフリーゾーンに収まっている。そのため、技術用語としては「Y100ウイングレット」(フリーゾーンの寸法をCAD用語で表わすと「Y100」)という名称が与えられているが、名前としては「モンキーシート」のほうが通りがいいだろう。
モンキーシートのおもな働きは、ダウンフォースを生み出すことだと考えている人が多い。しかし実は、この部分の気流を上に向けて、ディフューザーから出てきた空気をリヤウイング上面からの気流に、うまく合流させることにある。モンキーシートの下にあるエキゾーストから吹き出す排気も、少なくとも部分的には、この働きの手助けをしているが、かつてのブローディフューザーほど強力な効果ではない。