2016年版のテールパイプを見てみよう。2015年までは「テールパイプは1本」と決められていたので、大口径のテールパイプが1本センターに配置されているだけだったが、今季仕様は、どれもメインのテールパイプに加えて小径のテールパイプを2本、あるいは1本備えている。

 パイプの数が増えたのは、音量アップのためにウェイストゲート専用のテールパイプを設けることが義務づけられたからだ。なぜ、音量アップするかというと、F1のエンターテインメント性を高めるためである。2014年に新しいパワーユニットが導入されて以来、問題となっている「音が小さすぎてツマラナイ」という不満を解消するのが狙いだ。

 あるチームのエンジニアによると、新方式を採用することで12%ほどの音量アップが期待できるというのだが、実際にサーキットで音を聴いてきた身からすると「うーん、どうかなぁ。大きくなったと言われれば大きくなったかなぁ」という、なんとも煮え切らない感じだ。ホームストレートに面した場所で観戦していても、相変わらずイヤープラグは不要だった。2.4リッターV8・NA時代は併催しているGP2の排気音を聴くと「なんと野暮ったい」と感じたものだが、いまでは評価が逆転し、4.0リッターV8・NAを積んだGP2が走り出すと耳をそばだててしまう。現金なものだ。

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