「開発した本人というのは、どうしても客観的になれない。だって、本人はもともと壊れるつもりで作っていないから、どうして壊れるのか見えにくくなるわけです。開発者と同じレベルの別の人が見ることで、初めて気づくことがある」

「私もそれに同意見だった。現場は田辺、開発は浅木(泰昭/執行役員)に分けたのも、そういう理由が大きく影響していました」

 これらの改革は、必ずしもトストからの提案をホンダが受け入れたのではなく、もともと山本をはじめ、ホンダ側も考えていたことだった。それでは、なぜ昨年までの3年間でホンダはそれを実現できず、4年目の今年になって、改革できたのか?

「マクラーレンと3年間の厳しい経験を得て、トロロッソと新しいシーズンを迎えることが良い転機となったことは間違いない。もし、マクラーレンと続けていたら、なかなか人や組織をそこまで変えることはできなかったかもしれない。パートナーが変わったことで、われわれも変わる良いチャンスとなった」

 マクラーレンとの3年間が、ホンダを鍛え、意識改革を行うエネルギーとなった。第2戦バーレーンGPでトロロッソとともにつかんだ復帰後最高位となる4位の影に、マクラーレンとの3年間があったことを、F1に関わるホンダの全スタッフが噛み締めているに違いない。

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