ともかく、ガスリーが言ったのはストレートで0.9秒失っているということではなく、タイム差も0.9秒もなかった。このふたつの事実誤認が、イギリスGP後の騒動を巻き起こした原因だった。

 もちろん、トロロッソ・ホンダが中団グループの中で遅れを取り始めているのは確かな事実だ。

 オーストリアGPに投入した新空力パッケージはまだ使いこなせておらず、イギリスGPでは旧型フロントウイングに新型ノーズとフロアという中途半端なパッケージで走行した。

 マシンバランスが上手く取れず暑いコンディションでも充分にタイヤが保ってしまうほどタイヤへの負荷が小さいトロロッソは、アゼルバイジャンGPからマシンバランスを大幅に変更し、タイヤがきちんと機能させられる暑いコンディションではマシン本来のパフォーマンスを引き出せるようになったザウバーとは真逆の特性だとも言える。

 パワー面でも、ルノーPUに並んだとはいえメルセデスAMGやフェラーリのパワーユニットとはまだ大きな差がある。特に予選スペシャルモードでは差が広がってしまう。スペック3の開発と同時に、ベンチテストやシミュレーションで信頼性確認と予選スペシャルの追究を進めなければならない。

「僕たちはここ数戦で周囲のライバルたちほどのペースで進歩を遂げることができていないと思う。現実的な見方をすれば、今の僕らは中団グループの後方になってしまっている。だからこそオーストリアGPに投入したアップデートがきちんと機能するようにしなければならないし、それによって中団の真ん中へ戻れるようにしなければならないんだ」

「ザウバーやハース、フォース・インディアはこの間にエンジン側のパフォーマンスを増してきて、ギャップが広がってしまったんだ。でもこれだけタイトな中団グループだからこそ、全てを上手くまとめ上げて0.2~0.3秒縮めればポジションがいくつも上がることになる」

 イギリスGPの予選Q1で8位ニコ・ヒュルケンベルグと16位カルロス・サインツの差は僅か0.439秒でしかなかった。中団グループ上位と下位の差というのはそのくらい小さく、極めてタイトな争いになっているのだ。

 そんな中でトロロッソ・ホンダが再び中団上位の争いに加わることができるか否か。今彼らが直面している課題をしっかりと解決することが、シーズン後半戦のポジションに繋がることになる。

F1第10戦イギリスGP ブレンドン・ハートレー

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