そしてこのブーリエ解任劇の影の仕掛け人は、実はアロンソではないかという観測が飛んだ。アロンソがマクラーレン・レーシングCEOのザック・ブラウンに「辞めさせろ」と働きかけたというのだ。

 ブーリエの後任に、インディチャンピオンでアロンソとも個人的にも親しいジル・ド・フェランが就き、フェラーリから連れてきたアロンソ子飼いのエンジニアともいうべき、アンドレア・ステラがレース現場の責任者に出世したのも、噂に信ぴょう性を増した。

 定例の囲み会見でもそれについての質問が飛んだが、アロンソは完全否定した。実際はどうなのか。政治的な動きが好きなアロンソだけに、火のないところに煙は……という気もするが、真実が明らかになることはたぶんないだろう。

 そんなことより、いま急ぐべきは、チームの再建である。アロンソやストフェル・バンドーンは今季のマシン戦闘力、特に予選一発の速さが少しでも改善することを強く願っている。決勝レースではアロンソの巧さにも大いに助けられ、ポイントを獲得してきた。しかし予選では、今季はまだスペインGPの一度しかQ3に進めていない。

 そして3連戦最後のイギリスGPも、予選は13番手だった。それでもQ3進出を逃したアロンソは、「今季最高のパフォーマンスが発揮できた」と、胸を張った。現時点でのマシン性能を100%引き出し、コースコンディションを完璧に把握できたという強い自負からの言葉だった。

 イギリスGPの決勝レースでは、前戦オーストリアに続いて8位入賞。しかし「マシンパフォーマンスは、まだ全然満足できるレベルじゃない」と、アロンソは不満を隠さない。

フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)、シャルル・ルクレール(ザウバー)

 さらに中団の熾烈な争いには、ここ数戦ザウバーも名乗りを上げた。「今はフェラーリが3台いる状態」と、新人ルクレールの脅威も認めている。しかしそんなアロンソの言動からは、F1での戦いを100%楽しんでいる雰囲気も十分に伝わってくるのである。

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