ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターも、ガスリーの「0.9秒」発言に対しては、「ストレートで0.9秒失っているのは、事実です」と、数値は認めながらも、それがすべてではないとも語った。

「イギリスGPのレース後、ドライバーも含めたチームのミーティングでも話し合いました。ただ、いかにタイムを出すかというのはチームによって考え方が違って、それによってエアロパッケージも変わってきます。したがって、サーキットの1部分(ストレート)の速さだけを見て、コンマ9秒遅いというのはちょっと違うということは、チームのみんなも理解しています」

 ドイツGPの予選でガスリーの最高速は時速317.9kmで13位だった。しかし、4コーナーの立ち上がりにあるセクター1の通過スピードは時速216.0kmで最下位だった。つまり、トロロッソのマシンには低速コーナーの立ち上がりでのトラクション不足という問題も抱えているのである。

 ドイツGPは21戦中6番目のパワー感度が高いサーキット。そこでフェラーリ勢のハースとザウバーが好調だったことは、フェラーリPUの性能によるところが大きいことは間違いない。そして、ホンダが依然として3社の後塵を拝していることも事実だ。

 だが、パワーユニットは単体では性能は発揮できない。車体に搭載して初めて性能を発揮する。メルセデスやフェラーリが強い理由のひとつは、その点をきちんと理解してマシン開発を行っているから。トロロッソはワークスチームとしてのアドバンテージをまだ活かしきれていない。

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