ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターもPU(パワーユニット/エンジン)のドライバビリティに関しては、自信をのぞかせていた。
「ドライバビリティに関しては、トロロッソ・ホンダとしてスタートした今年の2月からふたりのドライバーとともに、常に改善を図ってきました。さまざまな状況の中で、(アクセルを踏んでもパワーが)着いて来ないような状況もありましたが、その都度、ホンダのエンジニアがドライバーからのフィードバックを受けて、ドライバーが思うようにパワーをデリバリーできるように見直して、ドライバビリティを向上させてきました」
「予選後のミーティンクでもドライバーからは『ドライバビリティはまったく問題なかった。以前の似たような状況と比べても良かった』というコメントをもらいました」
ドライバビリティの向上はどのPUマニュファラクチャーにとっても重要な課題のはず。なぜ、ホンダはドライバビリティに関して、ライバルにも劣らぬ向上を見せているのか。それは、トロロッソとホンダの関係が大きく影響していると思われる。
「PUサプライヤーとしては当然、出力や信頼性の向上も大切ですが、ドライバーと直接、会話しているというところもわれわれの強みです」(田辺TD)
出力や信頼性を向上させるのは、ファクトリーの開発部隊だが、ドライバビリティに関してはドライバーのフィードバックが何よりも大切となる。ホンダがPUを供給しているのはトロロッソのみ、ドライバーとエンジニアの関係は、ほかのPUマニュファラクチャーに比べて、より密接な関係を築くことができやすい環境となっていた。
目立たない日頃の努力が実を結んだハンガリーGPの予選6番手&8番手だった。