STR「ドリンクのリマインダー(注意喚起)だ。タイヤスイッチの操作(によるタイヤ状況の伝達)も忘れるな」

 25周を過ぎて気付けばマグヌッセンとのギャップは10秒まで広がり、縮まる気配はなかった。ガスリーはシートがガタついていることを無線で伝えてきたが、

STR「君は良い仕事をしているよ。このままの走りを続けてくれ。MAGは10秒後方だ」

ガスリー(以下、GAS)「シートがクルマの中で少し動き回っている!」

STR「了解。今のところ君は良い仕事をしているよ」

GAS「タイヤに苦しみ始めているよ」

 当初の予定よりもウルトラソフトの保ちが良く第1スティントを長く引っ張ったトロロッソ陣営だったが、タイヤの性能低下は始まっていた。そんな矢先の31周目にマグヌッセンがピットインしたため、翌32周目にカバーすることを即決してガスリーをピットに呼び入れた。

 トロロッソはこの日の全車中で3番目に速い2.27秒のピットストップ作業でガスリーをコースに送り出し、ポジションをキープ。あとはマグヌッセンに対してこの位置を守って最後まで走り切るだけだった。

STR「タイヤと燃料をマネージしろ。そうすれば君はセーフだ」

 ここからはチームからの無線は最小限に留め、厳しい暑さと戦いながらペースを維持するガスリーの集中力を切らさないよう配慮する。50周目にマクラーレンのストフェル・バンドーンがストップしてVSCが出動したが、ガスリーの履いたソフトタイヤはまだまだ高いグリップレベルを保っていた。

STR「VSCだ。デルタをポジティブにキープ。燃料をセーブする必要がある。タイヤはどう?」

GAS「すごく良いよ!」

 しかし55周目を過ぎたあたりからマグヌッセンがペースを上げてきた。タイヤマネージメントと燃費マネージメントの不安がなくなったところでレース終盤に向けてプッシュを開始したのだ。一時は12秒まで開いていたギャップはじわじわと縮まっていき、チームからは毎ラップのようにガスリーに対して最新の状況が伝えられる。

STR「MAGは21.9。我々より0.2秒速かった。ペースを上げてくれ」

STR「MAGがさらに1秒縮めて来たぞ」

STR「MAGが6秒後方まで来た。この周のMAGは0.3秒速かった」

 しかし残り10周を切ったところで、ガスリーもこれに対抗して再びマグヌッセンを引き離しに掛かる。ガスリーの状況を見てマグヌッセンはプッシュを諦めたようだった。元々リヤタイヤに厳しいドライビングだけに、これ以上の深追いは辞めて7位を確保しておくのが得策と考えたのだろう。

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