「だが、いまのクルマならごく普通に進入して、コーナリング中はずっとタイヤを滑らせながら、ドリフト状態で通過できる。以前とはまったく違う感覚なんだ。あの震え上がるような感じがない。だけど、来年はその点ではずいぶん良くなると思う」

 バトンによると、現在のクルマも予選トリムであれば、まだそれなりにドライビングを楽しめるという。しかし、先月のドイツGPでのドライブと、彼がF1で過ごした最初のシーズンを比較すると、全体的として華々しさが損なわれたのは間違いないと、彼は考えている。

 それでもバトンは、タイヤがワイドになり、空力も強化される来年の新ルールによって、かつてのF1の魅力が多少は取り戻せると信じている。車重が今年よりさらに20kg重くなることは差し引いてもだ。

「いまのクルマでも予選ラップはかなり楽しいよ。レースでも順位を争って、いいバトルができれば、まだ十分に楽しめる。レースの後で、ホッケンハイムの中継を録画で見たんだ。そして、その直後にたまたま放送されていた2000年のスパのレースを見た。当時のエンジン音は、やはりすばらしかったよね。あれが重要な要素のひとつだった」

「来年、F1はタイヤと空力に関しては、正しいことをやろうとしている。それは大きな進歩であり、このスポーツが進むべき道だろうから、僕もうれしいよ。ただ、物事には何でもネガティブな面が伴うもので、これに関して言えば、ネガティブなのはクルマがさらに重くなることだ」

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