スポーツの世界ではある年に、凄い新人たちが同時に出現するときがある。どうしてそうなるのか、理屈ではなく才能が集中して“配置”されるように。

 2001年がそうだった。ウイリアムズのファン・パブロ・モントーヤ、ザウバーのキミ・ライコネン、ミナルディのアロンソ。三人の新人は傑出した存在感を示し、それから実力を極めていった。

2001年に19歳でミナルディからF1にデビューしたアロンソ
2001年に19歳でミナルディからF1にデビューしたアロンソ

 ジャガーのルチアーノ・ブルティやアロウズのエンリケ・ベルノルディもデビューしたが、5人のうち彼ら3人がスター街道を駆け抜けた。

 南米コロンビアから、北欧フィンランドから、そしてスペインから。それぞれ個性的なキャラクターでファンをひきつけた。『動のモントーヤ』と『静のライコネン』。ではアロンソはというと、このふたりとはやや違う。ドライバーとして戦績をとり上げると、無冠と1冠と2冠王であるのが異なる。王冠をひたすら求め、野心を持ち続けてきたのがアロンソである――。

■記録と記憶に刻み込まれた14の闘い

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