ラウダは体力が大きく落ちたため、メルセデスのガレージに姿を見せることはままならなかったが、レースを病室から観戦し、どのような出来事も見落とすことはなかったという。

「ひとつのグランプリも見逃していない。たとえ多くの点滴に繋がれていてもだ」とラウダは語った。

「私はすべてのレースを観戦し、週末にはピットに電話をして、何が起きているか常に教えてもらっていた。まるで他のみんなとコースぎわにいるような感覚だったよ。ここ何年も一緒に仕事をしてきた人々の温かさを、再発見したとでも言うべきだろうね」

 しかしながら、3度の世界チャンピオンであるラウダの回復の道は決して簡単なものではない。彼は現在、ふたりのフルタイムのトレーナーをつけて、1日6時間のトレーニングに耐えている。

「とてもきついことだろうと分かっていた」とラウダは休暇を過ごすイビザの自宅から語った。

「このような状況でできることはただひとつ、戦うことだ。私は常に戦っていたし、今もそうしている。自分の壁に閉じこもるようなことはしない。ここの空気はきれいだし、気候もオーストリアほど悪くはない」

「1カ月のうちに体調は完全に元通りになり、また仕事を始められるようになると言われた。私は前のようにグランプリを追いかける。そうしない理由はない」

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