その一方でパワーユニットはこの日もノートラブルで走行を続けた。レッドブル側はテスト1週目の3日目からだが、トロロッソ側はこれで6日目。実に3193.33kmを走破して約4レース分の耐久性をクリアした。
レースシミュレーションを行うためには、基本的なセットアップや様々な状況に合わせたエネルギーマネジメントのセッティングが出揃っていることが条件になる。逆に言えば、ホンダのパワーユニット熟成もそこまで進んできているということだ。
ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはこう語る。
「エンジン単体としてのキャリブレーション、パワーユニットとしてのエネルギーマネジメント込みでのキャリブレーション。それも刻々と燃料搭載量や路面状況が変わる中で乗り方が変わっていくのに合わせて変化させていかなければなりませんから、それだけのデータを持っておかなければレースシミュレーションはできません。チームの計画に合わせてターゲットを設定し我々もデータを積み重ねてきました」
この日のフェルスタッペンのレースシミュレーションはあえなく2/3で終わってしまったが、残りの2日間では最大パフォーマンスを引き出す予選も含めた確認作業がホンダにとっての最優先課題だという。
「予選やフォーメーションラップからのスタートなども含めた金曜から日曜までの流れの中で、抜け・漏れがないかを改めて確認すること。それを残り2日間の中でしっかりとやっておきたいことですね」
パワーユニットのハードウェアとしては2月28日にFIAにホモロゲーション申請を行い、ひとまずこの仕様で開幕戦を迎えることが決まる。あとはこれをいかに使うかの勝負だ。
レッドブルとしてはギヤボックストラブルに不安を感じずにはいられないが、ホンダとしては少なくとも4レース週末は保つパワーユニットが出来上がっていて制御面でも熟成が進んでいることが確認できたテスト第2週の2日目だった。

