ハミルトン「リヤのグリップがもうないよ。タイヤはもうニュートラルだ」

 ハミルトンは、34周目にはもうリヤのグリップ低下を訴え、守りのレースに入っていた。

 その一方でフェラーリのベッテルも予想外の事態に苦しんでいた。

セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)
セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)

 31周目にフェルスタッペンが10周も若いタイヤで後方に迫り、為す術なく先行を許した。予選でメルセデスAMGに大きな差を付けられたばかりか、決勝ではミディアムタイヤを上手く使えずにグリップが引き出せない。その原因も分からず、ベッテルより14周後にピットインしたルクレールにはハードタイヤを履かせることしかできなかった。ベッテルの苛立ちは募っていた。

ベッテル「どうしてこんなに遅いんだ?」

フェラーリ「現時点では分からない」

 そして早めのピットインが災いして、戦略的にも手詰まりの状態になってしまった。1ストップ作戦を前提にした2019年シーズンのタイヤアロケーションが、こうしたレース戦略幅の狭さを招いたとも言えた。

ベッテル「(後方には)ピットインするギャップはある?」

フェラーリ「問題はピットインしたらLEC(ルクレール)をキャッチアップできないということだ」

 首位を快走するボッタスは盤石の体制で、恐れるものはなかった。昨年の中国GPで目前の勝利を逃したときのように、セーフティカーが入ればフレッシュなタイヤに履き替えたドライバーが猛追してくることも考えられたが、残りのセット数を考えればその可能性も極めて低かった。

メルセデス「このレースで負ける可能性は、セーフティカーが入ったときに交換できるタイヤがないということだけだ」

ボッタス「了解」

■ファステストラップのポイントをなんとしてでも取りたかったバルテリ・ボッタス

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