この赤旗で最も救われたのは1周目のアクシデントで大幅に遅れをとっていた3台(セバスチャン・ベッテル、キミ・ライコネン、マックス・フェルスタッペン)とミディアムタイヤでスタートしていた(フェルナンド)アロンソと(ルイス)ハミルトンでした。

 結局、ウチのチームはこの5人全員に負けてしまうんですけれど、赤旗がなければこのうち何人かには勝ててポイントが獲れたと思うので残念です。でも、あまり文句ばかり言っていられません。メルボルンでは逆に赤旗中断が僕らの戦略にぴったりはまって6位になれたんですから、得をするときもあれば損をするときもあるわけです。

2016年F1第13戦ベルギーGP ロマン・グロージャン
2016年F1第13戦ベルギーGP ロマン・グロージャン

 それでも、この後も普通に戦っていればポイントは十分に獲れたと思いますが、セーフティカー後にロマン(グロージャン)のマシンにエネルギー関連の問題が起きてしまいました。エネルギーを回生ができなくて、全然トップスピードが伸びなくなってしまったのです。

 エネルギー不足でMGU-Kがストレートのかなり早い時点でカットされてしまいました。スパでストレートがある程度より遅かったら、もうディフェンスのしようがなく、勝負になりません。5周のうちに9位から13位くらいまで落ちてしまいました。起きてはいけない問題が、一番悪い状況で出てしまいました。このトラブルでエステバン(グティエレス)にも抜かれたので、さらにこれが2度目のピットストップのタイミングに影響を与えることになります。

 エステバンの方はFP3での進路妨害でグリッドペナルティ受けていたので、スタート前から入賞は厳しくなりました。そういうペナルティを受けてしまうと、中位争いが僅差の現在の状況では、自力でポイントを獲得するのは厳しくなってしまいます。ロマンにしても、エステバンにしても、週末を通して何かひとつうまくいかないとポイントに届かないという、ベルギーGPはまさにその典型的な悪い例となってしまいました。

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■スタートで差が出てしまう理由
■アロンソが、いかに完成度が高いか
■来季の開発チームと、現場のやりとり

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