SF90に関しては、特にベッテルがその挙動に不満を募らせているといわれる。ベッテルは本来、安定したリヤが好みである。コーナー立ち上がりですばやくスロットルを開けて行くのが、彼のドライビングスタイルだからだ。そのため、その方向での変更を強く望んでいる。しかしルクレールは、そうではない。

「バルセロナでのウィンターテストの時から、僕とセブとはかなり違うドライビングスタイルなのがわかった。なので当然セッティングも、違った方向で進めている。具体的な内容には触れないけど、同じクルマじゃないことは確かだね」

 そして当然ながらふたりのドライバーはチームに対し、自分好みの方向での開発を要求している。それで思い出されるのが、2014年のレッドブルである。この年、ブロウン・ディフューザーが禁止されたことに対し、ダニエル・リカルドがいち早く順応したのに対し、ベッテルはずっと苦しみ続けた。その結果、ベッテルは移籍してきたばかりのチームメイトを突き放すことができず、突然のフェラーリ移籍へと繋がっていったのだ。

 今年のフェラーリにしても、ふたりのドライバーの両方を満足させる方向性は不可能と思われる。だとすればマッティア・ビノット代表はコース上のチームオーダーだけでなく、開発の方向性に関してもどちらのドライバーを優先するか、遠からず決断を迫られることになるだろう。

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