さらに、スペック1で問題が起きた箇所はスペック2では違う仕様となっているので、同じ問題は起きないという。そのうえで「万が一、問題が起きたときにも、ICEにダメージが及ばないように、(センサーの)データセッティングを変えるという対処をとっている」(田辺TD)という。

 つまり、今回のスペック2は、クビアトのトラブルとは関係なく開発されたものだが、投入を決断するきっかけとなったのは、クビアトのトラブルが関係していたという複雑な事情となっている。

 ちなみにトラブルが起きたクビアトのスペック1は「残念ながら、ICEは使用できない状態」だったが、それ以外のコンポーネントは再使用が可能だったという。また中国GPのフリー走行3回目にクラッシュしたアレクサンダー・アルボンのパワーユニットは、まだ解析中とのことだが、少なくともICE以外は使用可能だという。

 そのため、アゼルバイジャンGPではスペック2のICEは4台すべてに投入されているが、トロロッソの2台はICE以外でこれまで使用しているもの(中国GPで投入した2基目)を搭載し、レッドブルはICE以外にもTC(ターボチャージャー)、MGU-H(熱エネルギー回生システム)、MGU-K(運動エネルギー回生システム)も今回から2基目を使用している。

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