フェルスタッペン、ルクレールともにミディアムへの交換で2ストップ作戦。ノリス、アレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ)、ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)らもここでピットインを済ませてソフトからミディアムに履き替えている。ガスリーはステイアウトするカルロス・サインツJr.(マクラーレン)の後方に抑え込まれてしまい、ステイアウトしてガスリーをオーバーカットしようとしているベッテルに有利に働く。

 フェルスタッペンはルクレールを追いかけ回し並びかけるが、ルクレールは巧みにラインを変えてブロックし抜ききることができない。極めて質の高いバトルが展開される。

 20周目、アントニオ・ジョビナッツィがクラブでコースオフしてグラベルに捕まりセーフティカーが出動。ここですかさずハミルトンがピットインし、タイムロスを圧縮したことでボッタスの前でコースに戻る。ハードに交換し、このまま最後まで走り切ることができる計算になる。

 同様にステイアウトしていたベッテルもピットインしハードに交換して3番手へ。フェルスタッペンはこの後にピットインすれば大きく後退してしまうためここでピットインしハードに換えてガスリーの後方5番手へ。ルクレールはこの周に入らず翌周ピットインしたことで6番手まで後退してしまった。結果的にステイアウトしていたドライバーが得をしたかたちだ。

 中団勢も同様に各車がピットインを済ませ、これで順位は首位ハミルトン、2番手ボッタス、3番手ベッテル、4番手ガスリー、5番手フェルスタッペン、6番手ルクレール、7番手サインツ、8番手ノリス、9番手アルボン、10番手ヒュルケンベルグとなるが、24周目のレース再開と同時にヒュルケンベルグはセルジオ・ペレス(レーシングポイント)と接触して後退してしまう。ペレスもフロントウイングにダメージを負ってピットインを余儀なくされる。

 25周目のターン6でルクレールはフェルスタッペンに仕掛けてターン7でフェルスタッペンを押し出すようなかたちでコースオフ。フェルスタッペンはターン8でポジションを取り戻した。両者ともコースオフしていたため順位が元に戻ったことで審議の対象とはならなかった。

2019年F1第10戦イギリスGP セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)
2019年F1第10戦イギリスGP セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)

 フェルスタッペンは27周目にガスリーを交わして4番手に浮上し、ルクレールはガスリーに抑え込まれてこれを追いかけることができない。2番手ボッタスはもう1回ピットインをしなければならないため後続を引き離そうとするが、タイヤを痛めないよう慎重にベッテルとの差を広げていく。逆にフェルスタッペンはベッテルに追い付きプレッシャーをかけていく。

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