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F1 ニュース

投稿日: 2016.09.29 18:18
更新日: 2016.09.29 19:42

小松礼雄F1コラム:トラブルの連鎖で乱れるドライバーの心と、走りの難しさ

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F1 | 小松礼雄F1コラム:トラブルの連鎖で乱れるドライバーの心と、走りの難しさ

 予選に向けてFP3のデータを元に修正をかけたんですけど、まだクルマは良くなく、ロマンは予選でもすごく苦しんでいました。最初のランでエステバン(グティエレス)に1秒くらい遅れて、そのギャップを見て、やっぱり彼は焦って「もう行くしかない」と思ったんですね。ロマンとしては何としてでも少なくともコンマ2秒くらいに詰めなきゃいけない、と。

 そういうレベルでアタックしているということは、いつクラッシュしてもおかしくない状態なわけです。結局、ロマンはQ2の最後のランのブレーキングでコースオフしてクラッシュしてしまいました。

 ターン10で最初にブレーキを踏んで、最初はリヤがロックするんですけど、普通はその後ブレーキをリリースしてコーナーに入っていくので、そのまま行けるんです。だけど今回の問題は最初に踏んだとき、クルマがロマンが想定したほどちゃんと止まってくれなかった。だからクルマを止めるために、ロマンはブレーキをかなりの高いプレッシャーで踏み続けるわけです。クルマの速度が落ちてダウンフォースが減って、絶対的なグリップが減っていくところで、高いプレッシャーでブレーキを踏み続けたので、もう1回、大きなリヤロックがバーンと起きてしまった。

 ロマンはその2回目のリヤロックでスピンしてしまいました。最初と2回目のロックの時間はブレーキ2つといってもすごく短いので、テレビを見ているとその区別が分からないくらい一瞬の話です。それはブレーキで突っ込みすぎたというより、クルマがそれだけ運転しにくい、エッジにあるというかピーキーな状態だったということです。だから彼はエステバンからコンマ2秒落ちぐらいのタイムを出すのにも、あそこまでリスクを負わなければいけなかったんです。

 ウチにとってさらに残念だったのは、ロマンがエステバンの前を走っていたので、ロマンがクラッシュしてイエローフラッグを出したのでエステバンの最後のアタックラップを止めなければいけなかったことです。エステバンは予選も調子が良くて、最後のアタックはそこまでかなりいいタイムだっただけに残念です。

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