スポーティングレギュレーション第1.2項の規定によれば、2016年4月1日以降にルール変更ができるのは、安全性の見地から行われる場合に限られており、ヨーロッパ域外でのテストは、全チームが一致して同意した場合にのみ許可される。

 タイヤの構造に関しては、屋内リグを用いた徹底的な研究が行われているため、おそらく問題にはならないが、ピレリはコンパウンドの選択について、安全面での不安があると考えている。彼らが要求している温暖な地域での実走テストを行わなければ、各コンパウンドのブリスターの発生やデグラデーションの進行を正しく評価できない可能性があるからだ。

 来季も今年と同じハードからウルトラソフトまでのレンジではあるものの、タイヤのサイズが変わることから、個々のコンパウンドは大きく変更される。これらを適切な温度条件のもとでテストできないと、来年3月にオーストラリアで開幕を迎えるにあたって、すべてのチームとドライバーの安全性に関わるような予期せぬ事態が起きるかもしれない、というのがピレリの主張だ。

 前述のように、チームにとって主な問題はコストだが(バーレーンへ向かう場合とバルセロナでテストをする場合のコストの差は、1チームあたり40万ポンド(約5130万円)と見積られている)、ピレリにはチームに財政的支援をするつもりはないようだ。

 ピレリはタイヤの供給だけでも、F1に7000万ポンド(約90億円)相当の貢献をしており、各グランプリの主要な広告主のひとつでもある。そうしたことを考えると、主にピレリのためのテストとはいえ、そのためにさらに資金を投入したくはない、というのが彼らの本音らしい。

 バーレーンでテストを行う場合、追加で発生する費用は誰が負担すべきかとの質問に、ウォルフは次のように答えた。
「プレシーズンテストは、商業権所有者、FIA、タイヤサプライヤー、チームが共同で行うことであり、このうちの誰かに弊害が生じないような解決方法を見出さなければならない。そのためには、みんなでテーブルを囲み、追加費用をどのように分担するかを話し合う必要がある」

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