あるチームのエンジニアは、「空力のパランス変化があったのではないか」と分析する。同じS字でもセパンはほぼフラットだが、鈴鹿はアップダウンがある。現在のF1マシンの空力はステアリングを切ったコーナーリングの安定性が開発の重要ポイントとなっているが、もうひとつアップダウン時のピッチング変化に強いダウンフォースが求められている。もしかすると、マクラーレンのマシンはピッチング変化に弱い空力なのかもしれない。

 もうひとつの理由は、マレーシアGPから実戦投入している新しいリアウイングにあるのではないかという説だ。マクラーレンはシンガポールGPのフリー走行でアロンソだけが試した後、マレーシアGPから2台そろって新しいリアウイングを使用。同じ仕様で日本GPも戦った。これは翼端板の上方にあるスリットがクローズドタイプではなく、前方に貫通しているオープンスリットとなっている。

 この翼端板のメリットはできるだけ空気抵抗を減らしてダウンフォースを稼ぐ効率の良さにあるのだが、マクラーレンと同様のタイプのリアウイングを使用しているザウバーのエンジニアは、「じつはあのリヤウイングはコーナーリング中のバランス変化が大きく、セットアップするのが難しいんだ」と語っている。

 確かに、このタイプのリアウイングはトロロッソはウインターテストから使用し、メルセデスAMGもイギリスGPから採用。ザウバーはハンガリーGPのフリー走行でデータ取りを行った後、シンガポールGPまで投入を見送ったほどである。

 しかしながら、それならなぜセパンのS字は速かったのか。ザウバーのエンジニアは「今年のセパンは路面が改修されて、グリップ力が上がり、クルマの悪い所が隠されていた可能性がある」という。

 次戦アメリカGPが開催されるサーキット・オブ・ジ・アメリカもS字のような中高速コーナーがあるだけでなく、アップダウンもある。果たして、マクラーレンはどのようなセットアップで臨むのか。そして、”あの”リアウイングを使用するのだろうか――日本GPは終わったが、残るシーズンのマクラーレン・ホンダに引き続き、注目したい。

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