・アンチストール
スタート時にエンジンが停止(ストール)するのを防ぐシステム。F1は乗用車のようにスターターモーターを搭載していないので、エンジンを始動するのに外部スターターを利用する必要がある。その場合、メカニックの力を借りなければならない。レーススタート時にエンジンがストールすると一大事(順位を大きく落としてしまうし、危険)なので、クラッチをリリースしてエンジンの動力をトランスミッションに伝える際、エンジンのトルクが十分でなかったり、リリースが急すぎて動力の伝達がうまく行かなかったりした場合、自動的にニュートラル(クラッチを切り離した状態)にして、エンジンがストールするのを防ぐ。
・インスタレーションラップ
ハードウェア/ソフトウェア両面で、車載システムが正常に機能しているかどうか確かめるための走行。各フリー走行の最初に行うことが多い。全開で走らず、控え目なペースで1周し、ピットに戻る。
・ウイニングラン
優勝したドライバーがチェッカードフラッグを受けた後、パルクフェルメ(車両保管所)に戻るまでの周。レース中、声援を送ってくれた観客に対し、手を振るなどして戻ってくることが多い。
・エアロレイク
空力計測装置の一種。空気の圧力差から対気速度を計測するピトー管を格子状に配置した装置で、フリープラクティスやテスト時に、フロントタイヤやリヤタイヤの後方などに設置して走る。得られたデータをCFD(コンピュータによるシミュレーション)や風洞で得られた結果と照らし合わせ、空力の開発精度を高めるのが狙い。
・エンジンブロー
エンジンが激しく白煙を噴き上げて壊れること。強度の限界などが原因でピストンやコンロッドなどが壊れ、それらがシリンダー壁を突き破り、冷却水やオイルが一気に蒸発して大量の白煙を発生させる。このような大破壊に至らずピストンに亀裂が入ったような場合は、そこから燃焼ガスやオイルミストが出入りすることで、青白い煙がテールパイプから排出される。
・オーバーテイク
追い抜き、または、追い抜くこと。
・オープニングラップ
レース開始後の最初の1周。アクシデントや順位の変動が発生することが多い。
