第2スティントに入って数周が経過したところでメルセデスAMG勢がプッシュを開始し、フェルスタッペンも自己ベストで応酬。首位ハミルトンの5秒後方に2番手フェルスタッペン、そして3番手ボッタスが差を毎周0.3秒ずつじわじわと縮めていく。しかし45周目を過ぎたあたりからボッタスのペースは低下し、両者のギャップは8秒で固まる。
45周目、ペレスがバックストレートでストロールの前に出るが、ストロールはターン4で譲らずサイドバイサイド。それでもペレスはそのまま立ち上がって行き、ターン6でインを取って6番手を奪い取った。ペレスはその勢いのままリカルドも48周目のバックストレートで攻略し、失意の予選から中団グループトップまで挽回してみせた。
パワフルなエンジンモードを使ってプッシュするペレスの勢いは止まらず、50周目にはファステストラップを記録し、4位アルボンよりも1秒近く速いペースで急激にギャップを縮めていく。アルボンも反応してペースを上げるが、それでもまだ0.4秒〜0.5ほどペレスの方が速い。
50周目を過ぎたあたりからボッタスはトラフィックがいなくなったのと同時にペースアップして2番手フェルスタッペンとのギャップを縮め始めた。フェルスタッペンもプッシュして対抗するが、フロントウイングの右翼端板フットプレートにダメージを負っておりペースはやや苦しい。
後方では6番手リカルドにストロールが迫り、8番手サインツJr.はタイヤに苦しんでおり、9番手ノリスが迫って61周目にチームオーダーで順位を入れ換えた。10番手クビアトの背後にアルファロメオ勢が迫り、なかなか攻略できないジョビナッツィにポジションスワップの指示が出されてライコネンが仕掛ける側に回る。
60周目を過ぎるとボッタスから34秒遅れのアルボンにペレスが接近。62周目には再びエンジンモードを上げたのか、ファステストラップを記録して勝負に出るが、アルボンも残しておいた余力で自己ベストタイムを刻んで0.7秒差のギャップで対抗する。
66周目ついにボッタスがフェルスタッペンの背後に迫り、バックストレートで抜きに掛かる。一旦はボッタスが前に出るが、フェルスタッペンがターン4でアウトから粘って縁石一杯まで使ってサイドバイサイドのまま立ち上がり、ターン6でインを抑えてなんとか2番手を守った。
しかし翌67周目のターン3でボッタスはアウト側に振ってフェルスタッペンをイン側に追いやり、立ち上がりを苦しくさせてバックストレートでDRSを使ってパス。今度はターン4のインを抑え、フェルスタッペンを抑え込んで2番手を奪い取った。
これでフェルスタッペンはピットに飛び込み、新品のソフトに履き替えてファステストラップを取りに行くしかなかった。周回遅れのトラフィックを先行させてギャップをつくってまでタイムアタックを行うが更新できず。
69周目にはペレスがターン4でアルボンのインを突くが、アルボンはアウト側のラインを取り、アルボンの右リヤタイヤにペレスのフロントウイングが接触。アルボンは4番手を死守したが、ペレスはフロントウイングにダメージを負って大きくペース低下。
後方ではストロールがターン3でリカルドのインに飛び込み、押し出すようにしながらパス。これに乗じてノリスもリカルドをパスし、ターン4でストロールにも仕掛ける。ここでは抜けなかったものの、最終71周目のバックストレートで抜き去ってターン4のインを締め6番手へ。さらにペースを大幅に落としたペレスを最終コーナー手前で捕らえてまたしても中団グループトップの5番手でフィニッシュしてみせた。
トップはボッタスに13秒差を付けて悠々とフィニッシュしたハミルトン。2位にボッタス、フェルスタッペンは3位でメルセデスAMG勢に完敗と言え、ファステストラップも最後にソフトタイヤでアタックしたサインツJr.に持って行かれた。
4位は辛くも守り切ったアルボン、5位ノリス、6位ペレス、7位ストロール、8位リカルド、9位サインツ、そして10位はアルファロメオ勢を抑えきったクビアトとなった。