2020 ハンガリーグランプリ 決勝
ポールポジションからスタートしたハミルトン、雨が影響を及ぼしたレースを3ストップ戦略で制す
2020年7月19日、ブダペスト
キーポイント
・スタート前の雨が今日の戦略に影響を及ぼし、ダンプトラック上でレースが始まりました。Cinturatoブルー・フルウエットを装着したハースのケビン・マグヌッセンを除く全ドライバーが、Cinturatoグリーン・インターミディエイトタイヤを装着してグリッド上に並びました。
・フォーメーションラップ終了時、ハースの両ドライバーはピットへ向かい、P Zeroイエロー・ミディアムタイヤへと交換しました。レース序盤、急速に乾いていくトラック上でほかのドライバーたちが皆スリックタイヤへ交換することになり、ハースの両ドライバーは一時3番手と4番手を走行していました。
・上位5名で4つの異なる戦略が展開されました。ハミルトンはレース終盤、ファステストラップポイントを狙って、P Zeroレッド・ソフトタイヤへと交換する3回目のピットストップを行いました。3位を獲得したチームメイトのバルテリ・ボッタスも3ストップ戦略を採り、レッドブルのマックス・フェルスタッペンを猛追しました。フェルスタッペンは、レコノサンスラップ中にクラッシュしながらも、2ストップ戦略で2位を獲得しました。
・雨天用タイヤでのスタートとなったため、異なる2種類のスリックタイヤ使用義務は適用外となりました。
各コンパウンドのパフォーマンス
・ハード C2:レース週末当初から戦略の中心となり、大半のドライバーがファイナルスティントで使用しました。ハミルトンを含む3名のドライバーのみがハードを使用しませんでした。アルファタウリ・ホンダのダニール・クビアトは、P Zeroホワイト・ハードで50周以上を走行してフィニッシュしました。
・ミディアム C3:スタート直後、大半のドライバーがインターミディエイトからミディアムへと交換しました。2回ミディアムを使用したルノーのダニエル・リカルドなど、数名のドライバーが長いスティントをミディアムで走行しました。
・ソフト C4:上位10名中ハミルトンのみがソフトを使用しました。ハミルトンは、ソフトタイヤのスピードを活かし、ファステストラップポイントを獲得するとともに、ハンガロリンクのレースラップレコードを更新し、チャンピオンシップのトップに躍り出ました。
・インターミディエイト:ほぼ全ドライバーがスタート時にインターミディエイトを装着しましたが、急速に乾いていく路面に対応するために、わずか数周の間に全員がスリックタイヤへ交換しました。
ピレリ カーレーシング責任者 マリオ・イゾラのコメント
「夜半から午前中にかけて降った雨がトラック上のラバーを洗い流したことにより、冷涼なコンディションの下、グリーンで滑りやすい路面でのスタートを迎えることになりました。その後、急速に乾いていく路面が戦略にとって重要な鍵となりました」
「不安定な天候状態が続いたため、再度インターミディエイトへ交換が必要となるリスクに備え、スティントを延長するドライバーも見られました。結局、最後までドライコンディションが続き、とくにフロントタイヤのデグラデーションが目立ちましたが、これは今回のような異例のコンディション下では予測されたことです」
「大半のドライバーが2ストップ戦略を採ったなか、フレッシュタイヤのパフォーマンスを活かしてオーバーテイクを試みたり、ファステストラップポイントを獲得するために3ストップを行うドライバーも見られました」
■2020年F1第3戦ハンガリーGP レースインフォグラフィックス
■コンパウンド毎のラップタイム上位
・ハードタイヤ
バルテリ・ボッタス:1分17秒665
ランス・ストロール:1分18秒973
マックス・フェルスタッペン:1分19秒184
・ミディアムタイヤ
ルイス・ハミルトン:1分18秒611
バルテリ・ボッタス:1分18秒945
ダニエル・リカルド:1分19秒532
・ソフトタイヤ
ルイス・ハミルトン:1分16秒627
ニコラス・ラティフィ:1分22秒058
ダニール・クビアト:1分23秒781
・インターミディエイト
ルイス・ハミルトン:1分31秒458
マックス・フェルスタッペン:1分32秒264
ランス・ストロール:1分33秒732
■最長スティント
・ハードC1:ダニール・クビアト 51Laps
・ミディアムC2:ダニエル・リカルド 39Laps
・ソフトC3:シャルル・ルクレール 18Laps
・インターミディエイト:ランド・ノリス、ジョージ・ラッセル、ダニエル・リカルド、エステバン・オコン、マックス・フェルスタッペン、アントニオ・ジョビナッツィ 4Laps