ピエール・ガスリーとアルファタウリの無線も、両者がイタリアGPで優勝して以来、両者の絆が一層深まっていることをうかがわせるものだった。
ガスリー:ギャップを教えてほしい
アルファタウリ:後ろのノリスとの差は3.2秒だ
ガスリー:後ろじゃないよ。前とのギャップだよ
アルファタウリ:5秒前方に(エステバン・)オコン(ルノー)がいる。オコンが5秒前方だ
ガスリー:ああ、わかった。でも、いま、ザウバー(キミ・ライコネン/アルファロメオ)に引っかかったちゃったよ
その後、ガスリーはオコンをオーバーテイクできず、レース終盤にバーチャル・セーフティカー(VSC)が出たタイミングで2度目のピットイン。タイヤを替えて逆転を試みるというギャンブルに出る。そして、その目の前に43周目に現れたのが、アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)だった。
アルファタウリ:OK、ピエール。レッツ・ゴー。今日のわれわれに相応しい結果を手に入れようぜ
45周目にアルボンをオーバーテイクすると、今度は別のターゲットを目指す。
ガスリー:ファステストラップはいま何秒
アルファタウリ:37.7秒だ
ガスリー:OK、やってみるよ
果たして、50周目に1分37秒231を叩き出したガスリー。
ガスリー:ファステストラップを更新できた?
アルファタウリ:ああ、いま更新したけど、ノリスもいまアタックしている。また連絡する。あっ、でも、いまボッタスがいま(ガスリーのファステストラップを)コンマ2秒更新してしまった。それでも9番手からスタートし、荒れたレースで9位でフィニッシュした。
優勝したボッタスもまた、チェッカーフラッグ後にさまざまな思いが込み上げ、こう叫んだ。
メルセデス:やったな
ボッタス:やったぜ。イエーーース!! 僕のことを批判してきた人たちに感謝のメッセージを贈るいい機会だ。f*** you!(く**たれめ)
ボッタス:ネバー・ギブ・アップ
メルセデス:そうだな、ネバー・ギブ・アップだ
この言葉の真意をレース後の会見で尋ねられたボッタスは、これはメディアなど特定の人に向けられたものではなく、SNSも含め、ボッタスを批判してきた人たちに対して向けて、自然に出たメッセージだったと語っている。
この日のメルセデスは3位に終わったハミルトンも、勝ったボッタスも、少し口が過ぎる発言が多かった。