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F1 ニュース

投稿日: 2020.12.11 07:00
更新日: 2020.12.11 10:04

【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第18回】“ハース再生”を目標に新人ふたりを起用「ミスを恐れずに挑戦してほしい」

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F1 | 【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第18回】“ハース再生”を目標に新人ふたりを起用「ミスを恐れずに挑戦してほしい」

 そして、2021年はミック・シューマッハーとニキータ・マゼピンというふたりのルーキードライバーを起用することが発表になりました。2021年はハースにとって、2度目の誕生のような年になります。2016年にゼロからスタートして、初年度から何とか中団で戦い、2018年にはコンストラクターズランキングにおいて5位まで上がりました。

 しかし昨年のクルマの開発に失敗して選手権では一気に9位まで落ち、この影響でチームの財政もかなり苦しくなって、これに新型コロナウイルスのパンデミックが追い打ちをかけたのです。

 2019年の失敗を繰り返さないためには根本的な改革が必要です。これには時間もかかりますし、ある程度お金もかかります。ですから今年の比較的早い段階で、2021年のドライバーラインナップはチーム再生の一環として中期的な目で見るということになりました。

 ミック・シューマッハーはFIA-F2最終戦でチャンピオンも獲りましたし、ハースと関わりの深いフェラーリの育成ドライバーでもあります。ですから実力的にも戦略的にも問題のない選択でした。

 ニキータ・マゼピンがこれからどう成長するかは、彼と、そしてハースというチームの力が問われるところだと思います。誰もが分かっていることだと思いますが、彼の持ち込むお金はハース再生のためには欠かせません。ここまでの5年間はロマンという実力もあって基準となるドライバーがいましたが、来年からは違います。

 彼らふたりからベストを引き出すためにはチーム側にも今までとは違ったアプローチが求められると思います。とにかく、ふたりをそれぞれしっかりと理解して、良いところは伸ばし、悪いところはどんどん一緒になって潰していきたいです。

 彼らに期待することは、ハングリーに、どんな状況でも諦めず常にベストを尽くすことです。F2とF1ではクルマとタイヤがまったく違います。ということは運転にも違ったものが求められるということです。この辺りは貪欲に吸収してうまく順応しなければなりません。

 若さゆえミスも犯すでしょうが、誤解を恐れずに言えば攻めた結果としてのミスならいいです。逆にミスを恐れずに挑戦していってほしいですし、チームにもどんどん要求を出していってほしい。そしてお互いが良い意味でプッシュしあえる環境になれば何よりだと思います。

ミック・シューマッハーとハースの小松礼雄エンジニアリングディレクター
ミック・シューマッハーとハースの小松礼雄エンジニアリングディレクター
2021年にハースF1チームからF1にデビューするニキータ・マゼピン
2021年にハースF1チームからF1にデビューするニキータ・マゼピン


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