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F1 ニュース

投稿日: 2021.04.11 07:35
更新日: 2021.04.10 14:56

【角田裕毅を海外F1ライターが斬る】デビュー編:インパクト十分だが、大幅順位アップは当然の成り行き。もっと上を目指せた

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F1 | 【角田裕毅を海外F1ライターが斬る】デビュー編:インパクト十分だが、大幅順位アップは当然の成り行き。もっと上を目指せた

 予選Q1はなかなか立派だったと思う。あそこで角田の実力を垣間見ることができた。チームメイトのピエール・ガスリーより0.2秒以上速いタイムをすぐさまたたき出し、1回のランだけでQ2進出を決めた。なかなかできることではない。だがQ2ではどういうわけかミディアムタイヤでいいタイムを出せず、13番手という残念な結果に終わった。これはチームの方にも問題がある。なんだかんだ言ってもルーキーだ。2回目のランをソフトタイヤで送り出すべきだった。そうすれば彼は間違いなくQ3に進んでいたはずだ。

 予選トップ10に入っていたら、フェラーリ勢、マクラーレン勢、アルピーヌのアロンソやアストンマーティンのランス・ストロールと同じ条件で決勝をスタートし、最終的にはランド・ノリス、シャルル・ルクレール、ダニエル・リカルド、カルロス・サインツJr.あたりとトップ5を争っていただろう。

2021年F1第1戦バーレーンGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第1戦バーレーンGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

 誰もが言うとおり、角田は速さと優れたレーステクニックを持ち合わせたドライバーであり、そのポテンシャルをデビュー戦でしっかり証明してみせた。その事実を否定するつもりはない。しかし、彼が予選Q2や決勝スタートといった重要な場面でミスをしたことも忘れてはならない。スタートの際に、自分のグリッド位置を通り過ぎかけるという間違いもあった。

 つまり、結局のところはまだルーキーで、これから改善しなければならない点はいくつもある。そこで思い出すのは、小林可夢偉が最近言った言葉だ。「角田がトップドライバーに成長するためには優秀なマネージャーが必要だ」と彼はアドバイスした。

 しごくもっともな意見ではないか。そうとなれば、角田に手を貸さないわけにはいくまい。私はすでに引退した身ではあるが、それ相応のギャラをもらえるなら一肌脱ごう。過去に数えきれないほどの若手を育てては、F1の舞台へと引っ張り上げてきた経験がある私だ。その資格は十分にあると自負する。裕毅が私の電話番号を知っているといいのだが。

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

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筆者エディ・エディントンについて
 エディ・エディントン(仮名)は、ドライバーからチームオーナーに転向、その後、ドライバーマネージメント業務(他チームに押し込んでライバルからも手数料を取ることもしばしばあり)、テレビコメンテーター、スポンサーシップ業務、講演活動など、ありとあらゆる仕事に携わった。そのため彼はパドックにいる全員を知っており、パドックで働く人々もエディのことを知っている。

 ただ、互いの認識は大きく異なっている。エディは、過去に会ったことがある誰かが成功を収めれば、それがすれ違った程度の人間であっても、その成功は自分のおかげであると思っている。皆が自分に大きな恩義があるというわけだ。だが人々はそんな風には考えてはいない。彼らのなかでエディは、昔貸した金をいまだに返さない男として記憶されているのだ。

 しかしどういうわけか、エディを心から憎んでいる者はいない。態度が大きく、何か言った次の瞬間には反対のことを言う。とんでもない噂を広めたと思えば、自分が発信源であることを忘れて、すぐさまそれを全否定するような人間なのだが。

 ある意味、彼は現代F1に向けて過去から放たれた爆風であり、1980年代、1990年代に引き戻すような存在だ。借金で借金を返し、契約はそれが書かれた紙ほどの価値もなく、値打ちのある握手はバーニーの握手だけ、そういう時代を生きた男なのである。


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