──ウエットスタートは昨年の第14戦トルコGP以来ですが、昨年はスタートで失速し大きく出遅れました。今回スタートが非常にうまくいったのは、そこからの改善の成果でしょうか。レッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表も「スタートに関しても、ホンダがこの冬に非常にいい仕事をしてくれた」と、言及していますが。
田辺TD:チームとスタート設定を検討し、トルコで何が悪かったのかを解析しました。車体側のクラッチコントロール、PU側のトルクの出し方、その合わせ技ですね。両者を最適な形で合わせ込むのは非常に複雑な領域なのですが、チームと協調してやってきた成果を今回出せました。難しい作業でしたが、やった甲斐がありました。
──開幕2戦目で優勝できました。ホンダにとっての意味は?
田辺TD:ここも勝てなかったら、開幕2連敗だった。その意味で2戦目の優勝は大きかったですね。昨年に比べ、相対的な戦闘力、特にメルセデスに対する競争力が増していることが結果として現れた。シーズンはまだこれから20戦以上ありますし、この時点での優勝は開発陣にとっても現場スタッフにとっても高いモチベーションを保てる、非常にポジティブな結果でした。
ただメルセデスだけでなく、今季はマクラーレン、フェラーリも手強い存在として立ちはだかってきそうです。今の戦闘力を失うことなく、さらに開発を続けていかなければと思っています。
──2019年にレッドブルと組んでから、常に優勝を争えそうな状況は今季が初めてだと思いますが、田辺さんを始め現場スタッフの気持ちの持ちように変化はありますか。
田辺TD:特にはないですね。毎戦ベストを尽くす、ミスのない作業を行って、持てるものを最大限引き出す。それが我々の使命で、それは変わらないし、毎戦勝ちたいという気持ちにも変わりはありません。