責めるべき点より功績の方がずっと多い

 ではエクレストンは、どういった人物として記憶されていくのだろうか。近代F1を構築したという意味では、ヒーローだ。後年、金のなる木から搾取しまくり、F1の長期的存続が危ぶまれる状況を招いたという意味では、悪党だ。1978年にシド・ワトキンス博士をF1公式レースドクターに起用し、ドライバーの安全面向上を促進したという功績を考えれば、ヒーローだ。F1の商業権を売るという行動を見れば、悪党だ。

 リストならいくらでも作れる。確かに彼は公式には話すべきではないことを話したがる傾向にあるが、悪党とする理由よりヒーローと考えるべき理由の方が多いことに、誰もがすぐに気付くはずだ。

2011年ベルギーGP バーニー・エクレストンとミハエル・シューマッハー
2011年ベルギーGP バーニー・エクレストンとミハエル・シューマッハー

 我々の誰もがそうであるように、エクレストンもまた、両極のスペクトラムのどこかに位置する。だが彼は真の悪党というよりは、ヒーローに近いところにいる。

 彼が犯した最大の間違いは、この世界に長くい続けたことだったかもしれない。持続可能性と、ソーシャルメディアと、社会的良心が大きな意味を持つ現代において、彼の「良い仕事」の多くが成されないままであるということに、驚くべきではない。 

 彼が行ってきた貢献はポジティブな部分が大半を占めており、この部分こそ評価されるべきだ。彼を嫌う人たちにしてみれば不愉快な話だろうが、この40年間にバーニーが存在していなければ、F1はアダムとイブの時代のエデンの園よりも未開の地であったに違いない。それが事実なのだ。

バーニー・エクレストンのパペットが販売されたことも(2013年日本GP)
バーニー・エクレストンのパペットが販売されたことも(2013年日本GP)

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