■バーニーがいなければ、F1はアダムとイブの時代よりも立ち遅れていた

エド・ストロー(英AUTOSPORT編集長)

 グランプリにレースの様式と、構造と、世界的な確固たる地位を与え、途方もない野望をかなえたという点から見れば、エクレストンはヒーローだ。

 しかしまた別の視点に立ってみると、彼はチャンピオンシップの商業権を売り、長期的なリターンと安定よりも短期的な利益を優先するという現在の環境を構築した、元凶であるとも言える。

バーニーのおかげでF1が近代化し、ファンが増大した

 1970年代、エクレストンが権力を握り始めたころのグランプリレースは無秩序な状態だった。プロモーターのような中心的存在になる能力を持つ者も、それに関心を持つ者も、彼の他には誰もいなかったし、関係者らは少しの分け前と秩序を引き換えに、彼に下働きをさせて満足していた。

2016年イギリスGP バーニー・エクレストンとグリッドガール
2016年イギリスGP バーニー・エクレストンとグリッドガール

 エクレストンがいなければ、今のような近代的なF1は存在しなかっただろう。これをモータースポーツ全体における損害だと主張する者も多いし、他のカテゴリーの成長を妨害したことを無視するべきではない。けれども同時に、エクレストンはF1を近代スポーツの世界へと送り込んだ。まだ他のスポーツがその必要性を理解してもいない時に、モータースポーツに先導者を与えたのだ。F1がこの変化を遂げていなければ、何百万人もの人々が永遠にモータースポーツに触れることがなかっただろう。

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